就職が決まっているのに、親の反対で内定を辞退する就活生が少なくないという。これを防ぐため、企業には「子どもの入社に賛成か」を内定者の親に確認する動きまで出ている。この通称「オヤカク」について、マイナビニュース会員に聞いてみた。

同調査ではまず、就職する際に勤め先から、学生の親に入社について確認をとる「オヤカク」があったか聞いた。結果は「あった」という回答が20.9%(63人)、「なかった」が79.1%(239人)だった。昨今話題となっている「オヤカク」だが、今回の調査では、まだまだ一部の企業での取り組みであることがわかった。

勤め先からの「オヤカク」の内容とは?

続いて、「オヤカク」があったと回答した人に、勤め先からの「オヤカク」がどのようなものだったか、具体的に聞いてみた。回答の中から、興味深い回答を筆者の独断でピックアップしたので、紹介していこう。

  • 「自宅に電話で連絡があった」(34歳女性 / 東京都 / 未婚 / 食品 / 事務・企画・経営関連)

  • 「署名と捺印を求められた」(34歳男性 / 埼玉県 / 未婚 / 専門店 / 事務・企画・経営関連)

  • 「親の同意書と印鑑を提出した」(33歳男性 / 滋賀県 / 未婚 / 広告・出版・印刷 / クリエイティブ関連)

  • 「親に事業内容を説明するとともに、入社を賛成するか意思を確認された」(31歳女性 / 大阪府 / 未婚 / 銀行 / 事務・企画・経営関連)

  • 「本当に本人の意思か、親御さんも同意しているのか、書面で出せと言うモノ」(35歳女性 / 兵庫県 / 既婚 / ソフトウェア・情報処理 / 事務・企画・経営関連)

  • 「簡単なものでしたが、採用の連絡をいただいた際に『念のため親にも聞いておいてください。最終の意思確認はまた後日』と。親は特に問題なかったので、その場で『大丈夫です』と伝えたものの、結局後日の電話で改めて聞かれました」(33歳男性 / 神奈川県 / 既婚 / コンピューター機器 / 事務・企画・経営関連)

  • 「言うなと言われている」(34歳男性 / 大阪府 / 未婚 / インターネット関連 / 営業関連)

「オヤカク」についてどう思う?

なお今回の調査では、「オヤカク」についてどのようなイメージを持つかも聞いている。こちらも筆者の独断で興味深い回答を紹介していく。

  • 「親離れできてない」(28歳女性 / 大阪府 / 未婚 / 繊維・アパレル / 事務・企画・経営関連)

  • 「過保護すぎると思う」(37歳女性 / 東京都 / 既婚 / フードビジネス / 販売・サービス関連)

  • 「子供扱いし過ぎな気がする」(35歳女性 / 東京都 / 未婚 / 海運・鉄道・空輸・陸運 / 事務・企画・経営関連)

  • 「働くのは本人なのだから親は関係ないと思う」(36歳男性 / 神奈川県 / 未婚 / サービス / 技能工・運輸・設備関連)

  • 「学生とはいえ、成人しているならば責任は自身にあるので、親の確認を取る必要はない」(32歳男性 / 千葉県 / 未婚 / ソフトウェア・情報処理 / IT関連技術職)

  • 「将来に関わる事なので、親の確認があっても良いと思います」(34歳女性 / 広島県 / 未婚 / ソフトウェア・情報処理 / 事務・企画・経営関連)

  • 「ある程度は自分の意思を尊重するべきだと思うが、社会人になりたてのころはまだまだ未熟な部分があると思うので、『オヤカク』も少しくらいはあってもよいと思う」(36歳女性 / 奈良県 / 既婚 / 鉱業・金属製品・鉄鋼 / 事務・企画・経営関連)

  • 「身元保証人を求める企業は昔からあったので、形を変えただけだと思う」(29歳女性 / 埼玉県 / 未婚 / 宝飾品・貴金属 / 事務・企画・経営関連)

総評

今回の調査では、実際に「オヤカク」を経験した人は全体の20.9%。その内容は、電話による確認だけでなく、署名や捺印、同意書を求められたケースもあった。「連帯責任者ということで親の署名を求められた」といった経験談からは、新入社員を確保したい企業の必死さが伝わってくる。

また、「オヤカク」について多くの人から否定的な意見が聞かれた点も興味深い。「会社の事まで親が口を出すとは」「いつまでも子供の為にならない」「過保護」「子離れできていない」「本人の意思を尊重するべき」など、子供の内定を辞退させる親がいることへの批判が多く、中には「企業に同情します」という声もあった―― 子供の就活、親はどこまで口を出すべきなのだろうか?

調査時期 : 2017年7月14日
調査対象 : マイナビニュース会員
調査数 : 会社員302名
調査方法 : インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません