グラウディオラ監督が語った“育成の根底”日本人コーチが見たスタンダードとは?

勝村政信と皆藤愛子がMCを務めるテレビ東京のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(毎週日曜11:00~)。7月16日の放送は、海外でサッカー指導者として活躍する白石尚久をゲストに招き、番組アナリストの福田正博、三浦淳寛と共に「指導者の成長」について語り合った。

白石は、大学卒業後、フランスなどでプレーし、27歳で現役を引退。その後、海外でコーチングを学び、2008年にスペインでバルセロナのスクールコーチに就任し、指導者としての道を歩み始める。そして、スペインの2部などで監督やコーチを歴任し、ACミランで出場機会に恵まれていなかった本田圭佑から直接オファーを受け、専属の分析官を務めた。

そんな白石だが、どうして海外で指導をすることになったのか? 白石は「日本のサッカーは世界のトップクラスではなかった」と端的に述べ、世界で一番面白いサッカーをしているのはFCバルセロナだと考え門戸を叩いたという。そして2008年、グラウディオラ監督が率いたFCバルセロナのスクールコーチに就任。その時、グラウディオラ監督がスクールコーチに講義を実施し「指導者が育たなければ、選手は育たない」と伝えられたというエピソードを明かし、スペインには“優秀な指導者を育てる”という考えが根本にあると伝えた。

また、白石は国によってトレーニングは全く違うと語り、スペインとイタリアの違いを紹介。スペインにはトランジション(攻守の切り替え)の概念があり、重点的にトレーニングを積むが、イタリアではトランジションの意識は低く“守るか攻めるか”、特に“守り”に力が注がれており、「スペインでイタリアのトレーニングをやっても“何だこれ?”と言うと思う」と文化や風土の違いが確実にあると話した。これに対して勝村は「日本は全てを取り入れようとしますが、海外では考えられないですよね」と語り、福田も「それが良いところかもしれないが、自分たちの形とかはないのかもしれないですね」と日本人の特徴について語り合った。

一方で、教えられる側の子どもたちにも違いがあるという。白石は「日本の子どもたちは、木を沿えて盆栽のように育てていく感じで、海外の子どもたちは森に好き放題に生えている大木を切りそろえていく感じ」と例を挙げ、「その国の文化、教育方法など、世界各国で色々な方法がある」とコメント。福田も「スペインでは、好き勝手にやるからやってはいけないことだけを伝えて枠の中にいれようとする。一方で、日本はやらなくちゃならないことを教えていくと聞いたことがある」と国民性からくるアプローチの違いについて言及した。

そして、ポジショニングの話題になると、白石は、バルセロナでは6歳から教え込んでいると明かし、「本人はこういう風にプレーしたいんだけど、ここのポジションはこうした方が良いと教えて形作っていく。パスを正面に出したいときにディフェンスがいたらパスを出せないので、そのときの解決策として3つか4つの引き出しを与えていく」と一つの事例を紹介。それを聞いた三浦は、横浜フリューゲルス時代のレシャック監督に「日本人はすごく運動量が多いが、無駄に動きすぎる。動くことでパスが通らなくなるから、ちゃんといるべきポジションにいなさいと徹底して言われた」と振り返っていた。

さらに、日本人指導者が海外で成功する方法の話題になると、白石は「言葉は絶対条件」だと述べ、コミュニケーションを取って、選手の好物や趣味、性格などを把握することの重要性に言及。一方で、海外では自身の経験と主観で話す指導者が多く、データなどで裏付けされた指導をする監督は、一部リーグのトップにいると述べ、「日本人は細かく情報を収集し、なぜそうなのかを勉強して、しっかりと自分の言葉で伝えている」とトップとの共通点を紹介。日本人を見る目は厳しいが、海外で活躍する力はあるので「言葉さえ喋ることができれば海外に行っても良いと思う」と、選手のみならず、指導者の海外進出の必要性を説いていた。


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