JR北海道はこのほど、2016年8月の台風10号による集中豪雨で被害を受けた根室本線東鹿越~上落合間の被災状況と復旧費用の概算を公表した。昨年冬期前までにすべての被災箇所を調査することができず、今年5月に残りの箇所の調査を実施したという。

根室本線根室発釧路行の普通列車。現在は東鹿越~新得間で運休中となっている

おもな被災箇所は4カ所あり、このうち登満川橋りょうでは上流から流れ込んだ土砂が橋りょうの橋桁下部まで堆積したため、河道がふさがった。このため、堆積している土砂の撤去と護岸の整備が必要だという。第1ルーオマンソラプチ川橋りょう付近では流木の堆積により川がはんらんし、線路に流入した。復旧には、堆積している大量の流木と線路内の土砂の取り除きが必要となる。

第1落合トンネルと落合駅構内、第4落合トンネル出入口付近の斜面でも同様に川のはんらんや斜面崩壊による線路などへの土砂流入があり、土砂の取除きや斜面の復旧が必要とされる。

JR北海道は、同規模の災害に対しても機能を維持できるために必要となる復旧工事の費用を概算で10億5,000万円と計上。国の災害復旧事業費補助の枠組みを使用することになるが、「公的資金を入れるということは、持続的に路線を維持していくことが前提となります」(JR北海道)としている。また、同区間の復旧にあたっては、河川への堤防やえん堤の新設などを河川管理者である南富良野町と北海道に対して「お願いする」とした。