Microsoftは2017年7月11日(現地時間)、自社の開発統合環境であるVisual Studio 2017で、Intel AVX(Advanced Vector eXtensions)-512をサポートすることを公式ブログで明らかにした。Intel AVX-512はSSEなどに続くIntelが開発したプロセッサーのストリーミングSIMD拡張命令。前身であるIntel AVX2からSIMD整数演算命令ビット長やレジスタ数などを増加させ、ループのベクトル化など高速化する利点も多く、注目を集めてきた。

Microsoft Visual C++上のサンプルコード

具体的にはVisual Studio 2017バージョン15.3から、AVX-512対応のVisual Studio IDEデバッガやリンカー、約700の新規および改善した命令に対応するMASM(Microsoft Macro Assembler)などが含まれる。

IntelのJohn Morgan氏は「AI(人工知能)や機械学習、マルチメディアのエンコード&デコード、シミュレーションや気候、天気モデリングなどHPCが必要だったベクトル計算を(中略)Visual Studio 2017 バージョン15.3で多くのIntel AVX-512命令に対応し、サポートを強化する」と、MicrosoftとIntelの協力体制をアピールした。

執筆時点でのVisual Studio 2017はバージョン15.2(26340.15)

AVX-512は既存のIntel Xeon Phiプロセッサーや、新たなIntel Core Xシリーズデスクトッププロセッサーで利用可能になる。

阿久津良和(Cactus)