サイバーエージェントのアドテクノロジー分野におけるサービスの開発を行うアドテクスタジオは7月10日、人工知能を活用したチャットプラットフォーム「AI Messenger」において、FAQ応答ロジックを刷新したと発表した。

FAQ応答とは、チャットボットがユーザーからの質問を認識し、あらかじめ用意されたQ&Aの中から適切な回答をユーザーへ返す仕組みを指す。

今回のロジックの刷新は、機械学習の専門家である東京大学 佐藤一誠氏との協働により実現。具体的には、2つの文から意味的な近さや、表層的な見た目の近さなどをさまざまな尺度で数値化し、それら数十種類の数値を元に最終的に2つの文がどのくらい似ているかを推測するモデルを構築した。

これまでも、2つの文の意味的な近さを数値化して用いてきたが、今回の刷新ではそれをさらに強化し、質問文の中でより重要な語に注目することが可能となった。

これにより、クライアント企業のドメイン内において、人工知能が質問の意味を認識する上で「重要な語」と「重要でない語」を判別し、より重要と判別される語に注目した回答ができるようになる。

例として、金融商品を扱う企業において、ユーザーから「Webで過去の口座残高を見るにはどうしたらいいか」と質問された際、「口座残高」は金融商品を扱う企業において一般的な単語であり、人工知能は「Web」や「過去」という語をより質問の意図を認識する上で重要と判断。これらの語に注目することで、複数ある口座残高を確認する方法の中から、「Web」で「過去」の口座残高を確認する方法を優先して回答することが可能となった。

FAQ応答ロジックイメージ