TISは7月6日、スマートフォンでクレジット・デビット・プリペイドなど各種決済カードの利用や管理が可能なクラウドサービス「CARD×DRIVE(カード・ドライブ)」を搭載したアプリを、カード利用者に実際に使用してもらう実証実験を行ったことを発表した。

これによると、大手カードブランドでは、消費者保護の観点から不正利用検知を目的とし、カード利用時に顧客へ通知することをルール化する動きがあり、一部カードブランドでは2018年3月からこのルールが適用開始される予定だという。

同社提供する「CARD×DRIVE」では、顧客への通知ルールへの対応に加え、カード利用における安心・安全の提供や、カード会員とのリアルタイムコミュニケーションの実現が可能に。

また、電子メールなどによる通知と比べ、スマートフォンへのプッシュ通知は認識率・開封率・スマホアプリへの誘導性が高く、カード事業者が提供する自社アプリの活性化も期待できるとの仮説があった。

同仮説に基づき、同社は「CARD×DRIVE」によるカード発行者と顧客のリアルタイムコミュニケーションの実現と不正利用防止を実現する効果を、カード会社の協力のもとで検証する実証実験を行った。

同実験では、2016年11月末から2017年2月末までの3カ月間、約300名のカード会社などの会員に「CARD×DRIVE」のスマートフォンアプリを実際に利用してもらい、効果の有効性を調査。カード利用時の通知に対する認識や擬似的な不正利用の通知に対する反応を計測するとともに、その使用感や追加の機能の要望などのアンケートも実施した。

実証実験のシステム構成イメージ

この結果、カード利用を都度プッシュ通知されることで、対象者の93%がカードをより安心して利用できると実感。対象者の70%が同サービスの継続利用を希望した。

一方、カード利用の都度プッシュ通知が来ることに対し、煩わしいと感じた対象者は5%と少数に留まった。

また、同サービスの継続利用を希望した人のうち25%の対象者は同サービスの付帯されたカードのメインカード化を希望。カードの不正利用を想定した擬似不正通知に対しては、参加者の75%が不正利用を検知し、約40%がカード会社へ連絡する結果となった。