IDC Japanは6月30日、2017年第1四半期における国内サーバ市場動向を発表した。同市場規模は1265億円で、前年同期から5.7%減少。出荷台数は13万9500台で、前年同期から1.3%増加した。

出荷額がマイナス成長だった要因として同社は、メインフレームおよびその他のサーバの出荷額が前年同期比で2桁のマイナス成長となったことを挙げている。また、x86アーキテクチャのプロセッサーを採用したx86サーバの出荷額は前年同期比1.0%減で939億円となった。

一方、出荷台数はプラスで、全サーバ出荷台数の99%を占めるx86サーバの前年同期比が1.3%増で13万8000台となったことが要因となっているという。

同社はクラウドサービスベンダーに加え、金融、製造、通信といった大企業向けの需要が堅調であったと考えている。メインフレームの出荷額は、前年同期比11.7%減で234億円、その他のサーバの出荷額は、同27.9%減で93億円だった。メインフレームとその他のサーバの出荷額が2桁のマイナス成長になったのは、前年同期にあった官公庁、金融、製造向けの大型案件を補うほどの出荷がなかったことや、その他のサーバにおける、低単価の中小型サーバ出荷比率が増加したことが要因となっているという。なお、その他のサーバの出荷台数は、前年同期比4.9%増の1326台だった。

同社エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は「x86サーバはクラウドサービスベンターに加えて、大企業向けの出荷が堅調であった。メインフレームとその他のサーバは、ミッションクリティカル業務用途としての需要が依然として底堅い。クラウドファーストという考え方が進んでいるが、大企業を中心にクラウドサービスかオンプレミスITかといった二者択一の選択ではなく、組織全体を俯瞰して最適なコンピューティングリソースを選択するという考え方が定着しつつある。ITベンダーは製品のスペックやソリューションの優位性を訴求するだけではなく、顧客の経営に貢献するITインフラベンダーとして、顧客が得られる総合的なベネフィットを訴求していく必要がある」と分析している。

ベンダー別の出荷額では富士通が首位を獲得。その他のサーバは2桁のマイナス成長だったが、x86サーバは官公庁や大企業向けの出荷が貢献し、2桁のプラス成長を記録した。メインフレームも金融の大型案件が貢献し2桁のプラス成長となった。

2位はNEC。前年同期の大型案件の反動で、メインフレームでは2桁のマイナス成長、x86サーバもマイナス成長となった。3位は日本ヒューレット・ パッカード(HPE)。x86サーバは2桁のマイナス成長だったが、その他のサーバは通信の大型案件が貢献し2桁のプラス成長となった。

以下、前年同期の大型案件の反動があり、メインフレームとx86サーバが2桁のマイナス成長になった日立製作所が4位。通信などの大型案件が貢献したもののデルは5位にとどまった。

2017年第1四半期の国内サーバ市場におけるベンダーシェア(出荷額)