SOMPOホールディングスとSOMPOシステムズは29日、グループ各社での収集したデータをリアルタイムで解析し、経営に活かすためのAI工場「エッジAIセンター」を構築したことを発表した。

「SOMPO Digital Lab」Webサイト

同社は国内損害保険事業のほか、生命保険事業や介護ヘルスケア事業、海外保険事業と4つの事業区分を持ち、"保険の先へ、挑む。"をブランドスローガンに掲げている。データを活用した経営で著名なトーマス・H・ダベンポート教授をシニアアドバイザーとして招聘する「SOMPO Digital Lab」をシリコンバレーと東京の2拠点で設立するなど積極的なデータ活用を推進している。

同社は29日、グループのデータをリアルタイムに解析するAIセンター「エッジAIセンター」を構築したことを発表した。同センターでは、グループ各社の事業領域に特化したデータセットを使った学習モデルを用いており、独自のディープラーニング技術をAIシステムの今夏からの運用も予定、業務の自動化やサービス品質の向上のために活用される。

各AI拠点では、それぞれの用途に応じたAIで処理を行う"エッジAI"拠点を持ち、これらがNTT東日本(東日本電信電話)が提供するデータセンターや閉域ネットワーク「クラウドゲートウェイ クロスコネクト」で繋ぐ"エッジAI"を構築。データを集約するクラウドにはAWSを、センターのAI基盤のハードウェアには、ディープラーニングに最適化されたIBM Power Systems S822LC for HPC(Minsky)とNVIDIA Tesla P100 GPUアクセラレータが活用されていることも明かされている。

「エッジAIセンター」の概要(同社資料より)

SOMPOホールディングスグループは、コールセンターにおけるAIを活用した業務効率化、自動車走行データや健康関連データにAIを活用した新サービスの創出、新たなビジネスモデルの構築に基盤を活用していく。また、NTT東日本は、今回のネットワーク構築を通じ、IoTやAI時代に最適なエッジコンピューティングとクラウドの有機的連携を実現する情報流通基盤の提供を目指すとしている。