免疫生物研究所(以下、IBL)は6月26日、トランスジェニックと、アルツハイマー病(以下、AD)治療薬に関する共同研究開発契約を締結すると発表した。これにより、IBLが所有する毒性アミロイドβ42(以下、Aβ42)に対する抗体を、トランスジェニックが有するモデルマウスを用いて評価・検討し、AD治療薬シーズとして製薬メーカーへの早期導出を目指す。

IBLでは毒性Aβ42に対する抗体を用いたキットを販売しており、その抗体は神経細胞に対して毒性を持ちやすい立体構造であるAβ毒性オリゴマーに特異的に反応する。この毒性オリゴマーが神経細胞に毒性を示し、ADを発症するという説が提唱されているため、本抗体はADを診断するための薬品としてはもちろん、新しいAD治療薬シーズとしての可能性も秘めている。既に現在特許出願済み。

両社は、2011年3月11日に包括的業務提携、2016年2月12日に資本提携を締結し、医薬品・診断薬開発において、遺伝子改変技術、創薬支援プラットフォームの活用を図ってきた。今回の共同研究もその一環として取り組むもので、これによりADに対する新規の有効な治療薬の研究開発に貢献することを目指す。