多くの海外メディアが、オーストラリアのビクトリア警察が6月6日から州全体にわたってスピード違反切符の発行を差し止めおよび撤回を行っていると報じている。その理由は、スピードを計測しているカメラがランサムウェア「WannaCry」に感染したためとしている。

ニュースサイト「ABC」の記事「Victoria's entire network of road safety cameras to be reviewed over software virus」によると、臨時の代理長官は当初55台ほどのカメラがWannaCryに感染したようだと発表したが、後ほど280台ほどのカメラが感染したと修正している。速度を計測するカメラ自体はインターネットには接続されていないものの、メンテナンス担当者が不用意にもウイルスに感染したUSBメモリを接続したところから感染が広がったのではないかとされている。

当初、警察からは590枚ほどの違反切符が差し止めになったとしていたが、後ほど1643枚まで増えたとしている。最終的に7500枚から8000枚ほどの違反切符が差し止め対象となったのち、再発行されることになるのではないかとしている。

WannaCryの感染が速度計測に影響を与えたとは考えにくいとしつつ、確実に確認するまでは調査を継続するとしている。WannaCryは世界中でさまざまな影響を及ぼしており、今度もこうした影響が発表される可能性がある。