日本生産性本部の「職業のあり方研究会」と日本経済青年協議会は6月26日、平成29年度新入社員1882人を対象にした「働くことの意識」調査結果を発表した。

「働く目的」で最も多い回答は、平成12年度以降急増している「楽しい生活をしたい」で、過去最高を更新して42.6%となった。一方、かつてはバブル期を除いてトップになることもあった「自分の能力をためす」は長期にわたり減り続け、10.9%と過去最低を更新した。

「働く目的」 資料:日本生産性本部「職業のあり方研究会」

「デートの約束があった時、残業を命じられたらどうするか」という質問に対しては、「デートをやめて仕事をする」(27年度80.8%→28年度76.9%→今年度71.0%)、「ことわってデートをする」(19.0%→22.6%→28.7%)と、全体としてはプライベートな生活よりも仕事を優先する傾向が見えるが、平成23年来「デート派」が増加、「残業派」が減少しており、今年はその変化がさらに強まっているという。

「就労意識」については、16の質問文を挙げて「そう思う」から「そう思わない」まで4段階で評価。「そう思う」と「ややそう思う」の合計が、過去最高・過去最低となった主な項目は以下となる。

  • 「職場の上司、同僚が残業していても、自分の仕事が終わったら帰る」38.8→48.7(+9.9)
  • 「職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外はつきあいたくない」20.7→30.8(+10.1)
  • 「仕事はお金を稼ぐための手段あって、面白いものではない」36.1→39.1 (+3.0)
  • 「面白い仕事であれば、収入が少なくても構わない」49.2%→46.%(-2.7)
  • 「将来のためには今は我慢が必要だ」84.2%→79.8%(-4.4)

2年前から新しい項目として「ワークライフバランスに積極的に取り組む職場で働きたい」を追加したところ、高位かつ年々肯定的な回答が増え、91.8%で3位にまで上がっているという(一昨年 89.8%→昨年 91.0%)。

この数年の傾向を見ると、高いワークライフバランスへの意識と裏腹に、職場や仕事へのコミットメントは低下する傾向が見受けられるようだ。