レクサスのフラッグシップセダン、新型「LS」の日本披露会が26日に実施された。今年1月のデトロイトモーターショーで「LS500」、3月のジュネーブモーターショーで「LS500h」が世界初披露され、発売は2017年秋以降を予定している。日本披露会では新型「LS」の商品概要や搭載予定の予防安全技術について説明が行われた。

レクサス新型「LS」の日本披露会で展示された「LS500h」

新型「LS」の車体寸法(参考値)は「LS500」「LS500h」ともに全長5,235mm(ホイールベース3,125mm)、全幅1,900mm、全高1,450mm。「LS500」では新開発V型6気筒3.5Lツインターボエンジンを採用し、静粛性とフラットなトルク特性を生かした爽快な加速フィーリングを実現し、10速ATとの組み合わせで優れた環境性能・快適性と切れ味の良い変速を高次元で両立する。「LS500h」ではマルチステージハイブリッドシステムを採用し、ダイレクトな加速フィーリングと高い燃費性能を両立する。

新開発GA-Lプラットフォームの採用により、すっきりと奥深い走りで思い通りに操る快感を提供するとともに、従来の4ドアセダンとは一線を画す、低く構えた流麗なクーペシルエットも実現。インテリアは運転に集中できるコクピットとゆとりある後席空間を融合している。運転席はドライバーの体格を問わず高いホールド性を確保しつつ、長時間座っても快適であることをめざし、最適なサポート位置を細かく設定できるシートに。エアブラダ(空気袋)で押圧するリフレッシュ機能も付与したという。

新型「LS」日本披露会に登壇した澤良宏氏(写真右)と旭利夫氏

日本披露会ではレクサス・インターナショナル プレジデントの澤良宏氏、新型「LS」チーフエンジニアの旭利夫氏らがプレゼンテーションを行った。澤氏によれば、新型「LS」の開発にあたり、豊田章男氏(トヨタ自動車代表取締役社長)から「初代LSの衝撃を超えるクルマを作ってほしい」と言われたという。「重みのある言葉を投げかけられました。期待とプレッシャーがのしかかり、数々の試行錯誤を経て、これからのレクサスを体現するクルマがようやくでき上がりました」と述べた。

新型「LS」の開発を担当した旭氏も、「豊田からメッセージを投げかけられて以来、初代LSを超える感動を提供するクルマとは何か、大いに悩みました」と明かす。「見た瞬間に引き込まれるエモーショナルかつ独創的なデザイン、ステアリングをずっと握っていたくなるような走りの気持ち良さ、初代LSからDNAとして受け継ぐ『二律双生』『人間中心』『おもてなし』を徹底的に追求し、レクサスならではの先進技術で時代をリードしていく。このような思いの下、開発を進めてきました」と説明した。

今回のフルモデルチェンジで、高度な衝突回避支援と高度運転支援を実現した「Lexus Safety System +A」をはじめ、世界トップの安全性をめざした先進の予防安全技術も惜しみなく投入されるとのこと。「交通事故死傷者ゼロの社会を切り開き、先進安全技術のトップランナーをめざし、開発を進めてきました。私たちがめざすのは、あらゆる運転シーンにおいて人に寄り添い、世界で最も安全・安心・快適なドライビングを提供するベストパートナーとなるクルマづくり。ドライバーへの通知や、挙動のひとつひとつに至るまで丁寧にサポートすることにこだわりました」と旭氏は述べた。

その後の質疑応答では、豊田章男氏の新型「LS」に対する評価について質問も。「初期段階で何度もダメ出しを食らい、デザインも性能も試行錯誤を繰り返しました。社長の豊田は『及第点ができた』とは言いますが、『これで完成した』とはいっさい言いません。それが最終チェックを行う社長の役目だと我々も理解していますので、今後もつねにレベルアップは意識していたいと思います。今日お見せしたクルマは、いまできるすべてを注ぎ込んだものです」と答えていた。

新型「LS」に搭載される「Lexus Safety System +A」をはじめとする予防安全技術や、今後の安全技術開発の取組みについても紹介された