エン・ジャパンは6月20日、中小企業を対象とした「夏季賞与」に関する調査結果を発表した。調査期間は4月26日~5月30日、有効回答は従業員300人以下の中小企業398社。

昨年と「変わらない」は63%

2017年に夏季賞与を支給予定の企業は82%。昨年と比べて支給額に変動があるか尋ねたところ、「変わらない」が63%、「増額予定」が26%、「減額予定」が10%となった。

増額予定の企業を業種別にみると、「流通・小売り関連」が50%と最も多く、以下、「商社」と「その他」が同率の31%、「サービス関連」が29%、「IT・情報処理・インターネット関連」が24%と続いた。

昨年(2016年)の夏季賞与と比較し、支給額に変動はありますか?(業種別)

夏季賞与の増額幅は、約半数の47%が「5%未満(計)」と回答。増額理由は、「業績が好調」が74%、「社員の意欲向上」が49%、「離職・退職の予防」が14%と続き、政府が推進している「消費税増税、物価上昇への対応」を理由に賞与増額を検討している企業は1%に満たなかった。

夏季賞与の減額幅は、「5%未満(計)」が45%を占めた。減額理由は、「業績不振」が65%と断トツに多く、次いで「経営体質強化に向けた人件費圧縮」が29%、「その他」が13%、「給与と賞与の配分見直し」が10%となった。

企業からは、「売り手市場のため他社の賞与算出方法が気になる。モチベーションが上がる基準はどういった感じなのか?」(サービス関連、1~10人)、「現在当社の売り上げ不振が続いている中、今後の見通しがなかなかつかない状況であるため、賞与の減額は避けられそうにはない。下がることによる従業員の仕事へのやる気低下や将来への不安感を抱くことが考えられ、それらが退職にもつながる可能性がある」(その他、31~50人)などの声が寄せられた。