6月19日(独時間)、スーパーコンピュータ(スパコン)の処理性能ランキングである「TOP500」の2017年6月版が発表された。

49回目となる今回のTOP500は、前回同様、中国National Research Center of Parallel Computer Engineering & Technology(NRCPC)が開発し、National Supercomputing Center(Wuxi)に設置されているスパコン「Sunway TaihuLight(神威・太湖之光)」がLINPACKのベンチマーク93.014PFLOPS/s(消費電力15.3MW)で1位を獲得。2位には中国National University of Defense Technologyの「Tianhe-2(Milky Way-2/天河2号)」(33.862PFLOPS、17.8MW)が入り、2013年6月版で天河2号がトップに立ってから、中国のスパコンが9回連続でトップとなった。

3位には、前回8位のスイスSwiss National Supercomputing Centre(CSCS)の「Piz Daint」が前回の9.779PFLOPS、1.31MWから、19.590PFLOPS、2.272MWへと倍近い性能向上を果たしランクアップを達成。その結果、4位に前回3位であった米オークリッジ国立研究所(ORNL)の「Titan」(17.590PFLOPS、8.2MW)、5位に前回4位の米ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の「Sequoia」(17.173PFLOPS、7.9MW)、6位に前回5位の米国立エネルギー研究科学計算センター(NERSC)の「Cori」(14.015PFLOPS、3.94MW)と、それぞれ順位を下げる結果となった。

また、7位にはやはり前回6位にランクインした日本の東京大学と筑波大学が協力して進めてきた最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)のスパコン「Oakforest-PACS」が13.554PFlops(消費電力2.72MW)で、かつて世界一にもなったことがある理化学研究所の「京」は前回の7位から8位(10.510PFlops、12.66MW)へと後退した。

9位には、前回と同じく米アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の「Mira」(8.586PFlops、3.95MW)、10位も前回と同じく米ロスアラモス国立研究所(LANL)とサンディア国立研究所(SNL)の「Trinity」(8.100PFlops、4.23MW)がそれぞれランクインした。

なお、主要国別に見たTOP500に属するスパコン設置数は、米国が169、中国が160、日本が33、ドイツが28、フランスが17、英国が17となっており、全500システムの演算能力は749PFLOPSとなった。また、Xeon/Xeon Phi搭載システムは464、IBM POWERが21、Opteronが6。アクセラレータ/コプロセッサを搭載したシステムは91システムで、NVIDIA GPUが74システム、Xeon Phiが17システム、ATI Radeonが1システム、PEZYシステムが2となっている(NVIDIA GPUとXeon Phiの組み合わせが3システム)。

2017年6月に発表された第49回 TOP500の上位10システムの一覧 (出所:TOP500 Webサイト)