ご近所SNS「マチマチ」を運営するProperは6月15日、マチマチによる地域コミュニティの活性化を通じた地域課題の解決に向けて、渋谷区と「マチマチ for 自治体」に関する協定を締結した。Properが自治体と協定を結ぶのは初。

渋谷区長 長谷部健氏(左)とProper 代表取締役 CEO 六人部生馬氏(右)

「マチマチ」は、ご近所さんとまちの子育てやオススメのお店・病院などについて情報交換ができるご近所限定のオンライン掲示板。まちのユニークな店舗や病院、サービスの紹介、小中学校や幼稚園・保育園の情報、防犯・防災情報のやり取りを通して、近所のつながりを作ることができる。Properは「マチマチ」を2016年6月から提供を開始し、すでに首都圏を中心に3,500以上の地域で利用されているという。

「マチマチ」は、安心・安全に利用できるよう、サービス利用開始時に携帯電話番号を用いたSMS認証による本人確認を行っており、サービス利用は実名で行うことで安全性を高めている。また、利用範囲が半径1-6km内に住む利用者同士に限定され、その範囲を超えたまちに住む利用者の投稿は閲覧できない。

Proper 代表取締役 CEO 六人部生馬氏は、ご近所SNSの利用は、世界的に増えており、その背景には、都市化が進み、住んでいる地域に血縁や地縁の人がいない無縁の人が増えていることがあるとした。

グローバルのご近所SNS

Properは、今回、「マチマチ」に加え「マチマチfor 自治体」の提供を開始し、渋谷区が初採用となる。

「マチマチ」はママ・子育て、おすすめ情報、あげます・売りますなど、カテゴリがあらかじめ決められているのに対し、「マチマチ for 自治体」では、すべての情報を配信できる。また、「マチマチ」にはないアンケート機能や町の掲示板といった機能があるほか、自治体が丁目単位で情報を発信できる。利用料は、「マチマチ」、「マチマチ for 自治体」、いずれも無料だ。

Properと渋谷区は、今回の協定によりマチマチを活用して区と住民、住民同士のつながりを構築・強化することで、地域コミュニティの活性化を目指す。

具体的には、区の情報発信の効率化、町の掲示板のチラシなどの紙の情報のデジタル化などの「情報発信の最適化・効率化の支援」、「アンケートの実施」、防犯・防災情報、不審者情報の発信、区民同士による防災情報の発信、注意喚起、緊急警報機能による防災時の注意喚起などの「防犯・防災の強化の支援」を行う。

渋谷区の利用イメージ

渋谷区長 長谷部健氏は、「渋谷区はすでにLINEと協定を結んでいるが、『マチマチ for 自治体』によって、これまでアプローチできなかった住民にもアプローチできる」と語った。

渋谷区は「渋谷おとなりサンデーの日」、創設などコミュニティ活性化の施策を強化しており、「マチマチ for 自治体」 を活用することで、区と住民間の繋がりをさらに強化し、地域コミュニティを活性化していくという。

六人部氏は今後、首都圏の利用を拡大していくほか、企業など地域連携やNPO連携を強化していくとした。

「首都圏でのマチマチ」の利用状況

また、現在「マチマチ」は無料で提供されているが、マネタイズについては、当面は無料で提供することにより利用者拡大を図り、その後、広告によって収益化を図っていくとした。