ウェザーニューズは6月14日、北極海の気象・海象の観測を主目的とする超小型衛星「WNISAT-1R」の打ち上げが2017年7月14日に決まったと発表した。

WNISAT-1Rは、2013年11月に打ち上げた初号機「WNISAT-1」の搭載機器に不具合が生じ、海氷観測ができなくなったことを受けて開発されたリカバリー機。とはいえ、初号機から性能も向上しており、4つの観測波長(赤・緑・パンクロマティック+近赤外)の光学カメラを利用して、船舶の安全運航に影響を及ぼす冬期の渤海・セントローレンス湾や、夏期の北極海における海氷の分布の観測を行う。

また、台風や火山噴火時の噴煙観測も行う予定で、単なる台風の広がりや火山灰の拡散状況の撮影のみならず、移動しながら撮影するステレオ撮影によって雲頂高度や噴煙の到達高度を割り出す立体観測にも挑戦するという。

さらに、日照条件や天候に左右されない観測方法の確立に向け、GNSS衛星からの反射波を用いて地球表面の状態を観測するGNSS-R試験観測も実施予定。同手法を用いて海氷や陸地からの反射波を受信、解析することで、海氷と海水面の判別や海氷の分布状況の評価実験を行うとしている。

なお、機体はすでに日本での最終的な動作確認作業を終え、打ち上げ場所であるカザフスタンのバイコヌール宇宙基地に輸送済みであるという。

WNISAT-1Rのフライトモデル