ブレインパッドは6月13日、三井化学より委託を受け、三井化学大阪工場のバッチプラントにおける近未来の蒸気量変動を予測する取り組みを開始したと発表した。今後ブレインパッドは、上記の需要量の予測結果を、用役プラントの最適な運転手法の立案に役立て、工場の省エネルギー運転の最適化に貢献していく考えだ。

バッチプラントとは、化学物質の製造工程において、化学反応を行わせる装置ごとに一定量の原材料を投入して製品を産出する方式のプラントのこと。また、用役とは、プラントの運転に必要な電力、水、空気、燃料などのこと。

日本国内の中長期的な電力需給対策や省エネルギー対策において、工場におけるエネルギー効率の改善は重要課題の一つだ。

三井化学は従来より、プラント内の必要蒸気量、電力の自家発電量、燃料コストをリアルタイムで監視するシステムを開発し、すでに現時点での最適なプラント運転手法を提示する仕組みの構築に成功している。次のステップとして、近未来に起こる蒸気・電力量の変動を汲み取り、最適化された運転手法を事前に決定するシステムを構想しているという。

そこで今回、機械学習などさまざまな分析手法を用いた業務プロセスの予測・最適化を行うブレインパッドと共同で、蒸気量需要を予測する取り組みを開始した。

三井化学 大阪工場

本取り組みでは、三井化学の中核工場である大阪工場における、該当プラントの稼働・非稼働の実績データと、上記の使用実績データの関係を分析・学習することで、近未来の蒸気の需要量を予測するモデルを構築する。三井化学は、このモデルを活用することで、工場内で発生する蒸気ロスや過剰な燃料消費を抑制して省エネルギー化を実現するとともに、燃料、電力、給水等にかかるコストを最適化する狙いだ。