ヤマハ発動機は7日、空冷Vツイン1,854ccエンジンを搭載したクルーザーカテゴリーのフラッグシップモデル「Star Venture」を8月から北米で発売すると発表した。最新の電子制御技術に加え、大型スクリーンやツアートランクを備えるフルドレス仕様となっており、スタンダードパッケージの他に、より長距離を楽しめる機能を備えたトランスコンチネンタル(TC)パッケージも設定している。

「Star Venture TC」(2018年米国モデル)

「Star Venture」は「信頼性と走りの楽しさを備え、より快適に長距離ツーリングを楽しめるモデル」を望む近年の市場の声を反映して開発。現在の米国二輪車市場ではクルーザーカテゴリーが総需要の約半数を占めており、中でもフルドレス仕様のクルーザーは夫婦での生活を楽しむ"ライフステージの相棒"として人気があるという。

「Star Venture」が搭載する「"インフォテイメント"システム」は、7インチディスプレイのタッチパネルとスイッチによって、オーディオやナビゲーションシステム、車両情報確認やヒーター・電動スクリーン、コミュニケーション(電話・無線・パッセンジャーとの会話・SMS受信)などの操作・利用が可能な情報システム。運転操作の負荷低減と旅を楽しめるように配慮したシステムとなっており、ヤマハとの共同作業で走行中の音響効果を重点に作り込みが行われた。

デザインは大排気量クルーザーを象徴するVツインエンジンを中心に、そこに導かれる空気や空気を押しのけていく推進力をフロントフェイスからサドルバック上端を経てリア後端に繋がるラインで表現。金属素材を生かしたパーツ形状や表面処理をエンジン・ボディに採用したほか、フィンなどに手作業の風味を与える仕上げとし、スピーカーレイアウトやシートやグリップのデザインにもこだわっている。

エンジンは1,854ccの空冷OHV・Vツイン・4バルブで、吸排気系、カムプロフィール、ポート形状などを新設計し、優れたトルク特性や吸排気サウンドを実現。同社クルーザー初のYCC-T(電子制御スロットル)を採用しており、なめらかなレスポンスと心地よいパワーフィーリングを楽しめる。約1km/hの速度でモーター駆動により車両を前後に微動できる「SURE-PARK」も採用し、駐車時の微調整などでの大型モデル特有の取回しの煩わしさを解消した。