エアバスは現地時間の6月1日、バイオ燃料を10%混合したキャセイパシフィック航空の15機目のA350-900を引き渡した。今回、エアバスは航空機メーカーで初めて、新造機の引き渡しに持続可能なジェット燃料を混合するオプションの提供を行った。

15機目となるキャセイパシフィック航空のA350-900

キャセイパシフィック航空の15機目のA350-900は、6月1日に香港へ向けてトゥールーズを離陸。なお、2016年5月に引き渡した同社のA350XWB初号機から、キャセイパシフィック航空へのA350の全ての引き渡し機に、持続可能なジェット燃料を混合している。

バイオ燃料を使用するデリバリーフライトのコンセプトは当初、キャセイパシフィック航空より2015年に提案された。完全に実用化された現在、今回のデリバリーフライトによって、1年前にエアバスと石油ガス会社のトタルによって構築された、燃料の製造から顧客へのデリバリーまでのサプライチェーンが、適切に機能していることが証明された。

独ハンブルクや米モービルからの新造機引き渡しにおけるバイオ燃料の使用は、2018年から実施される予定。また、エアバスは2016年からトゥールーズからのデリバリーフライトに、このバイオ燃料混合オプションを提供している。

エアバスはこのデリバリーフライトのオプションにより、航空機を納入して最初の飛行から二酸化炭素排出の環境への影響を削減することに取り組む。航空会社は、最初の運航段階から二酸化炭素排出量削減への取り組みを実証でき、世界の民間航空業界が掲げる目標に貢献することが可能となる。

A350XWBは最先端の技術を用いた新設計の航空機で、従来機よりもCO2排出を抑えている。持続可能なジェット燃料をその運航に使用することによって、CO2排出量削減の要素はより大きなものになるとし、エアバスは環境保護戦略の一環として、バイオ燃料業界における全てのステークホルダーと協力することによって、継続的な排出量削減への取り組みを行っていくとしている。