米Intelは、ドライバーを必要としない自律運転が当たり前になる頃には7兆ドルという巨大な"Passenger Economy"が出現するというレポート(英文/PDF)を公開、ビジネスにおける可能性とその備えを促している。

2050年までには、カーシェアリングやバイクシェアリングが当たり前になり、モバイルと接続したネットワークは、モノや車の結びつきを今より一層強い繋がりを提供する社会になる。運転を必要としない乗り物のネットワークが台頭し、人口の約2/3が大都市周辺に集まっている。車を持たずともシームレスに繋がる乗り物のネットワークを、人々はサービスとして利用している。「移動性」をサービスと考えるMobility-as-a-Serviceは、グローバルで2035年までに8,000億米ドル、2050年までに7兆米ドル規模という巨大な"Passenger Economy"を形成しているだろうとIntelはレポートしている。

Accelerating the Future: The Economic Impact of the Emerging Passenger Economy(PDF/英文)

2050年の7兆ドルの内訳は、約55%を占める約3.7兆米ドル規模を形成するのが、コンシューマで移動性をサービスとして提供するMobility-as-a-Serviceを消費。ビジネスユースでは約43%の約3兆米ドル規模のB2B Mobility-as-a-Serviceを形成し、運送や航空といった直接移動に関わる産業や周辺のサービスが自動運転など最新のテクノロジーを活用することで既存のサービスの売上を伸ばす。そして、約2,030億米ドルが、ホテルや病院、レストランやエンターテインメントなど広範な業界にアプリケーションやサービスを通じて生み出されると予測している。Passenger Economy時代には、人々は年間250万時間が運転などの余分な時間から解放されることになる。

米Intel CEOのBrian Krzanich(ブライアン クラーザーニッチ)氏は、少なくとも10年前には、現在のようなシェアリングエコノミーやアプリの台頭を明確に予見できていなかった。企業は、人々が"運転する(Drive)"のではなく"乗る(ride)"ための車、そして最もパワフルなモバイルデータを生み出すころのPassenger Economyについて、考えはじめても良い時期だと述べている。