ARMは5月29日、台湾において、エッジからクラウドまでのAI(人工知能)体験を促進する次世代のCPUプロセッサとして、DynamIQテクノロジーベースの「Cortex-A75」および「Cortex-A55」を発表した。

Cortex-A75は高効率性を維持しつつ、シングルスレッド性能を向上させたコアで、同一周波数で前世代コアと比較した場合、パフォーマンスは20%以上向上しているといるとするほか、最高3GHzでの動作を可能としているとする。

一方のCortex-A55は、汎用プロセッサコアとして開発されたもので、前世代となるCortex-A53比で、同等周波数、同等プロセスの場合、2倍のメモリ性能、15%の電力効率の向上ならびに、10倍以上のスケーラビリティの提供を実現しており、Cortex-A53搭載機器と比較して最大2.5倍の効率向上を達成することを可能とするという。

ARM Cortex-A75/55のイメージ

また、同社は、ARM Compute LibraryをCPUだけに適用した場合であっても、AIワークロードならびにマシンラーニングワークロードのパフォーマンスを10~15倍向上させることが可能だと説明している。

なお、同社では、CPUサポートの拡大を図る一環として、総合的なソフトウェア開発環境もリリース。これによりARMのエコシステムは、ARMの仮想プロトタイプや、DS-5 Development Studioなどの開発ツールを組み合わせ、ハードウェアの提供前にDynamIQテクノロジーを活用したソフトウェアを効率的に開発できるようになるとしている。

DynamIQ big.LITTLEにより、単一の処理クラスタ上でbigとLITTLEのプロセッサ構成が可能となる