JR九州は29日、クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」3泊4日コースの運行ルートを大幅に変更すると発表した。新ルートでの運行開始は2018年3月中旬から。新たに門司港駅や宇佐神宮、人吉市内などでの立寄りプランが用意され、豊肥本線阿蘇駅への乗入れも実現する。午前の明るい時間帯に肥薩線の走行も予定されている。

JR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」。2018年春から3泊4日コースの運行ルートが大幅に変更される

「ななつ星 in 九州」は運行開始から3年以上を経た現在も人気の列車で、2017年度秋・冬(2017年10月~2018年2月)出発分も受付件数3,787件、平均倍率16倍、最高倍率は10月24日出発の3泊4日コース「DXスイートA」で166倍だったという。通年運行されるコースとして、土曜日に博多駅を出発する1泊2日コース、火曜日に博多駅を出発する3泊4日コースが設定されており、現在の3泊4日コースは鹿児島本線・久大本線・日豊本線や肥薩おれんじ鉄道を経由しながら九州を1周する行程となっている。

2018年3月中旬以降、3泊4日コースは博多駅を11時20分頃に発車した後、門司港駅を経由して日豊本線大分方面へ向かうルートに変更される。門司港駅には13時頃に到着し、駅を見学した後、14時30分頃に発車。16時頃に日豊本線柳ケ浦駅に到着し、宇佐神宮への立寄り観光を行う。大分駅まで日豊本線を走行した後、熊本地震の影響で通年の運行ルートから外れていた豊肥本線へ乗り入れ、阿蘇駅へ。1日目はここで車内泊となる。

肥薩線「日本三大車窓」を眺め、大畑駅ホームでティータイムも

「ななつ星 in 九州」が再び阿蘇駅へ運行されるにあたり、「震災から復興に向かう元気な九州と美しい阿蘇の時間を体験していただきます」とJR九州。2日目は朝にレストラン「火星」での朝食を予定しており、10時頃に阿蘇駅を発車して大分方面へ折り返す。大分駅から久大本線に入り、14時30分頃に由布院駅に到着。九州屈指の名旅館といわれる「由布院御三家」(「由布院 玉の湯」「亀の井別荘」「山荘 無量塔」)に宿泊する。

3日目は由布院の旅館から「ななつ星 in 九州」専用バスで別府駅へ向かい、11時頃に別府駅を発車。日豊本線を走行し、宮崎市内観光も行い、23時5分頃に鹿児島中央駅に到着して車内泊となる。4日目は5時頃に鹿児島中央駅を発車し、肥薩線へ。運行開始当初、肥薩線の走行は夜間に行われていたが、来春以降は午前中の明るい時間帯に肥薩線を走行するため、「日本三大車窓」やスイッチバック、ループ線も眺められる。

大畑駅ではホームでのティータイムや駅周辺散策も予定されている。人吉駅には9時50分頃に到着し、人吉市内観光を行った後、12時45分頃に発車。肥薩線・鹿児島本線を経由し、17時30分頃に博多駅に帰着する。運行ルート変更で九州の新たな一面を体験しつつ、「これまでと同様に地元の皆さまの温かいおもてなしに触れ、さまざまな出逢い、ドラマ、感動をお楽しみいただく旅をご提案して参ります」とJR九州は発表している。

なお、運行ルート変更後のおもな停車駅と時刻、立寄りエリアは現在検討中のもので、変更される場合がある。旅の詳細は9月下旬に改めて発表予定とされている。