東京都豊島区、待機児童ゼロを達成 - 認可事業のベビーシッターが奏功

東京都豊島区は、平成29年4月1日時点で、待機児童ゼロを達成したと発表した。同区では、平成28年度中に認可保育所10園を新設し、認証保育所2園、小規模保育所1園を認可保育所へ移行。待機児童を対象とした認可事業としてのベビーシッター派遣(居宅訪問型保育事業)にも取り組み、699人分の保育定員を新たに確保していた。

同区では、平成27~29年度の3年間で、認可保育所22園、小規模保育所13園を新設。保育需要数の増加に伴い、受け入れ枠を拡大し、2,028名の保育定員を確保していた。待機児童数は、国が3月に定めた新基準を適用。職場復帰を希望する育児休業中の人も含めて、待機児童はゼロとなった。一方で、待機児童には含まれていないが、自治体が補助する認可外施設を利用した児童数、特定の保育施設のみを希望し、他の利用できる枠を利用しなかった児童数の合計は、135名となっている。

過去5年間の乳幼児数、保育需要数及び待機児童数の推移

特筆すべきは、待機児童を対象とした認可事業としてのベビーシッター派遣を進めていること。認可保育所と同様の保育料でベビーシッターを利用できるもので(ベビーシッターの交通費は別途)、4月1日時点でベビーシッター派遣による保育定員は全国最多の80名に達している。

さらに、同区で最も多いという1歳児の保育需要を満たすため、区立保育園では0歳児を減らして1歳児の定員を増やす対策を実施。認可保育所に入所できなかった親を対象に、継続的に月単位で子どもを預かる緊急的な一時預かり事業も取り入れた。

平成30年度に向けては、認可保育所を最低でも13園(定員780名以上)以上新設する予定となっている。