東京商工リサーチは5月24日、2016年決算「上場3,079社の平均年間給与」の調査結果を発表した。

これによると、2016年(1-12月)の上場3,079社の平均年間給与は前年より6万3,000円(1.0%)増え、605万7,000円だったという。2011年の調査開始以来、5年連続の増加で初めて600万円台に乗せた。

平均年間給与の増加・減少を見ると、上場3079社のうち、平均年間給与が前年より増えたのは1892社(構成比61.4%、前年2,060社)で6割を占めた。一方、減少は1167社(同37.9%、同997社)、横ばいは20社(同0.6%、同22社)だった。平均年間給与の「増加」企業数は6割を占めたが、前年より169社減少したという。

上場企業3,079社 平均年間給与 資料:東京商工リサーチ

3,079社の平均年間給与の増減率をみると、増加率は0.0%超~1.0%未満が401社(構成比13.0%、前年384社)で最多だった。次いで、増加率1.0%以上~2.0%未満が393社(同12.7%、同371社)と続く。

増加率3.0%以上では各区分で社数が前年を下回った。また、0.0%(前年同額)は20社で、前年より2社減少した。

一方、減少率では、最多は0.0%超~1.0%未満の345社(構成比11.2%、前年314社)。減少率は、すべての区分で社数が前年を上回った。

増加率10%以上が150社(構成比4.8%)に対し、減少率10%以上は70社(同2.2%)にとどまり、全体の平均年間給与を押し上げた。ただ、増加が1,892社(前年2,060社)、減少は1,167社(同997社)と、平均年間給与が前年より減少した企業が増え、上場企業の給与上昇はブレーキがかかりつつある。

業種別で平均年間給与は、 最高が3年連続トップの金融・保険業で702万9000円だった。一方、最下位は6年連続の小売業で500万円だが、小売業は3年連続で上昇し、初めて500万円台に乗せたとのこと。

上場企業3,079社 平均年間給与 業種分類別  資料:東京商工リサーチ

個別企業の平均年間給与トップは、M&A助言会社のGCAが2139万6000円で、2年連続トップを守った。前年(2153万8000円)より14万2000円減少したが、海外M&Aなどが安定し、2011年(1001万1000円)と比べると5年で2.1倍増となった。

2位は不動産業の日本商業開発の1741万円。前年は1000万円(42位)だったが、社員のインセンティブ収入が増加した。

増加率トップは、スポーツ用品小売大手のゼビオホールディングスで、増加率は前年比191.9%増と約3倍増になった。

平均年間給与が1,000万円以上は60社(構成比1.9%)で、調査開始以来の最多を数えた。社数の最多レンジは、500万円以上600万円未満が936社(同30.4%)。次いで、600万円以上700万円未満が755社(同24.5%)で、500万円以上700万円未満が1,691社(同54.9%)と半数を超えた。

上場企業3,079社 平均年間給与ランキング 資料:東京商工リサーチ