NTT東日本は23日、全国畜産農業協同組合連合会(以下全畜連)・コンピューター総合研究所(以下CAL)と、栃木県塩原市で肉用牛の転倒事故死を未然に防ぐための共同実証実験を行うと発表した。期間は2017年5月から10カ月間。肉用牛に直接取り付けるセンサーおよび畜産農家の常時監視を必要とせず、肉用牛の転倒事故死による経済的損失を防止することを目指す。

実証実験イメージ

全畜連は、毎年1~2%発生する出荷前の肉用牛の転倒事故死によって生じる損失を重要な課題として、防止方法を模索してきた。今回、ICT 活用による地域産業の発展をサポートするNTT東日本、全畜連と畜産牛向け行動監視支援システムを提供するCALが協力することで本実験の実施に至ったという。

具体的には、牛舎に設置した画像データを利用して、肉用牛の転倒状態の解析を行う。また、店頭県知事に農家のスマートフォン等への通知を行い、店頭事故死を防止する。これにより、畜産農家による肉用牛の常時監視が不要となる。

そこで、全畜連は実証実験フィールドの提供・効果検証・対象牛の肥育・監視。CALは、畜産牛向け行動監視支援システム、赤外線モーションセンサー等の提供。また、NTT東日本は実証実験の全体企画・運営およびWi-Fiアクセスポイント、ミリ波ネットワーク、ネットワークカメラ等の提供をする予定だ。

NTT東日本は、実証実験を通じ肉用牛の転倒自動検知による安定した肥育・出荷に対する支援効果を検証し、畜産分野における簡単に利用可能なレディメイド型のIoTサービスの商品化を目指すという。