大阪府、大阪市、JR西日本、南海電気鉄道、阪急電鉄は23日、「なにわ筋線」の整備に向けた取組みを協力して進めていくことで一致したと発表した。「なにわ筋線」の開業目標は2031年春(2030年度末)とされている。あわせて阪急電鉄十三駅方面へ分岐する路線「なにわ筋連絡線」についても、国と連携しながら整備に向けた調査・検討を進める。

「なにわ筋線」整備イメージ

「なにわ筋線」は大阪都心部から関西国際空港や新大阪駅へのアクセス強化を図る新たな鉄道路線として、事業化に向けた検討が進められてきた。今回、大阪府・大阪市と「なにわ筋線」の営業主体となるJR西日本・南海電鉄、さらに阪急電鉄を加えた5者により、「大阪・関西の成長に必要な鉄道ネットワークの強化」に向けての取組みとして公表された。

整備区間は「JR難波駅~(仮称)西本町駅~(仮称)北梅田駅」「南海新今宮駅~(仮称)西本町駅~(仮称)北梅田駅」とされている。JR東海道線支線地下化・新駅設置事業にともない2023年春の開業をめざす(仮称)北梅田駅に加え、「なにわ筋線」の中間駅として(仮称)南海新難波駅・(仮称)西本町駅・(仮称)中之島駅の3駅を設置する。総事業費(概算)は約3,300億円、「地下高速鉄道整備事業費補助による上下分離方式(想定)」で事業が進められ、第3セクターが整備主体になるとのこと。

「なにわ筋線」におけるJR西日本の営業区間はJR難波~(仮称)北梅田間、南海電鉄の営業区間は新今宮~(仮称)北梅田間で、(仮称)西本町~(仮称)北梅田間はJR西日本・南海電鉄の共同営業区間となる。南海電鉄が営業する(仮称)南海新難波駅は、現在の難波駅より西側に駅の位置が示された。(仮称)西本町駅は大阪市営地下鉄中央線、(仮称)中之島駅は京阪電気鉄道中之島線に近接した位置に示されている。今回公表された計画を基本に、「なにわ筋線」について国との協議を進め、早期事業化をめざす。

あわせて5者が協力して取り組むことになった「なにわ筋連絡線」は、(仮称)北梅田駅の北側で分岐し、阪急宝塚線・神戸線・京都線の接続駅である十三駅へ向かう路線となる。「なにわ筋線」の整備効果や事業性をより高めるため、「なにわ筋連絡線」についても国と連携しながら整備に向けた調査・検討が進められることになった。