ネットワンシステムズのグループ会社で、パートナー企業との協業に特化してICTインフラを提供しているネットワンパートナーズは5月22日、米Mist Systemsとディストリビュータ契約を締結し、仮想ビーコン機能と機械学習機能を備えたクラウド管理型無線LANシステムを、パートナー企業経由で販売開始すると発表した。

Mist Systemsのクラウド管理型無線LANシステムは、Wi-FiとBLE(Bluetooth Low Energy)を提供する専用の無線アクセスポイントと、機械学習機能をもつ専用の管理クラウド「IWC(Intelligent Wireless Cloud)」の組み合わせで構成されている。

特徴として「仮想ビーコン機能により、位置情報を活用したサービスを簡単・迅速に提供可能」「機械学習機能で障害の予兆を検知し、高品質・安定稼働のWi-Fi環境を実現」の2点を挙げている。

仮想ビーコンによる位置情報を活用したサービスの簡単・迅速な提供では、物理的なビーコン端末を用いることなく、空間内にあたかもビーコンが存在しているように動作させることが可能な機能で、位置情報を活用した新しい情報サービスを簡単・迅速に提供を可能にするという。

Mist Systemsの特許取得済み技術「Virtual BLE(vBLE)」を活用し、Mist SystemsのWi-Fi/BLEアクセスポイントから8本のBLEビームを出し、そのエリア内に仮想的にビーコンの位置情報を割り当て、そのエリアに入ってきたスマートデバイスが受信したBLEビームの信号強度をIWCで解析することで、スマートデバイスの精細な位置情報を割り出し、これらの仮想ビーコンとスマートデバイスの位置情報が重なった際に、ビーコン機能を動作させる。

また、IWC側の機械学習機能で接続するスマートデバイスの機種に応じて通信経路損失を計算して位置情報を高精度化することで、物理ビーコン利用時よりも精細な位置情報に基づくサービスの提供を可能としている。

機械学習による高品質・安定稼働のWi-Fi環境については、機械学習機能を導入したIWCにより、障害の予兆検知や障害の原因検出を高度に自動化し、運用管理者の大幅な負荷軽減とともに、大規模企業が求める品質のWi-Fi環境を実現しているという。

具体的には、SLE(Service Level Expectations)機能で事前に設定した閾値をもとに、利用者のサービスレベルをリアルタイムで予測し、障害の予兆を検知するとともに、問題を回避するための推奨対策を提示する。

さらに、相関分析を活用したRoot Cause機能で障害の原因を自動的に検出・整理し、簡単なドリルダウン操作で迅速に内容を把握することができるほか、Dynamic Packet Capture機能では障害発生時に通信パケットを自動的に保存すると同時に、状況を時系列で視覚的に把握可能にしているため、対処を迅速化してダウンタイムを最小化するという。

SLE機能のイメージ

Root Cause機能のイメージ

Dynamic Packet Capture機能のイメージ