兵庫・宝塚の「宝塚ホテル」は、経年の老朽化や現行法上の耐震基準を満たしていないことなどの理由から、宝塚大劇場の西側隣接地(現/西駐車場)に移転・新築することが決定した。2020年春の開業予定。

新ホテルの外観イメージ

新ホテルの建設予定地

1926(大正15)年に先進的な洋館ホテルとして開業以来、ホテル機能の充実と規模の拡大を図りながら約90年にわたって多くの宿泊客に愛され続けてきた同ホテル。今回の移転・新築では、現在のホテルデザインを継承するなど伝統を受け継ぐとともに、これまで以上に宝塚歌劇と連携して新たな魅力を発信し、地域の良好な都市イメージのさらなる向上を目指す。

開業当時の宝塚ホテル

デザインは、阪神間モダニズムと称されるクラシカルな現ホテルのデザインを継承。切妻屋根の壁面などに描かれている植物モチーフのレリーフや、建物の外壁を特徴づけるドーマー窓と半円形屋根、アーチ天井を持つ回廊、階段の手すりに施された装飾など、温もりが感じられる色彩や細やかな装飾も復元される予定だ。

現在の宝塚ホテル

植物モチーフのレリーフ

新ホテルでは、より一層の魅力あふれる高品位なサービスとくつろぎの空間を提供。客室は、宝塚歌劇の観劇やビジネスユースなど幅広いニーズに対応できる様々なルームタイプを備え、現在のホテルを上回る約200室が設けられる。

宴会場も、宝塚大劇場のオフィシャルホテルとして、宝塚歌劇のディナーショーを開催できる大宴会場と、地域のコミュニティホテルとして利用できる中・小宴会場の合計4室を用意。また、親しみやすいカフェレストラン&バイキングのほか、上質な食事とサービスを提供する日本料理や鉄板焼、落ち着いた空間でアフターヌーンティーやお酒を楽しめるラウンジの計4施設が新設される。

なお、現在の宝塚ホテルは、新ホテルの開業まで、営業を継続する予定(開業準備のための期間は休業)。