imec、自己学習型ニューロモルフィックチップで作った楽曲を披露

半導体ナノエレクトロニクス研究機関のベルギーimecは5月16日(欧州時間)、自ら作曲できる自己学習型ニューロモルフィックチップ(神経形態学的半導体デバイス)を開発したと発表した。16~17日にアントワープで開催した「imec技術フォーラム(ITF2017)」で、その脳型チップが作曲した音楽を披露した。脳にインスパイアされた(=脳の神経細胞の形態を模した)チップは、OxRAM(酸化物を用いた抵抗可変型メモリ)技術を用いて作製された。

チップ外観 (提供:imec)

人間の脳を人工的に実現することは、コンピュータ科学者の夢である。脳は数十Wしか消費しないのに、巨大な計算能力を持っているためである。今回imecは、ハードウェアとソフトウェアを同時に最適化することで、消費電力を最小に抑えることに成功した。また、チップが作曲を学習する過程における、作曲に関する規則は、自己学習により学んだという。

imecのテクニカルスタッフであるPraveen Raghavan氏は、「imecは、ハードウェア、システム設計、ソフトウェアの専門家を一堂に集めて、ニューロモルフィックコンピューティングの開発を推進をしている。 私たちのチップは、ロジック、メモリ、アルゴリズム、システムを総合的に最適化することから進化してきており、この結果、自己学習システムのためのビルディングブロックを開発することに成功した」と話している。

チップの断面図。赤い枠で囲まれた部分がOxRAM (提供:imec)

なお、imecの今後の取り組みについては「個人の健康、エネルギー、交通管制など、さまざまな分野に適用可能な、低消費電力、高性能、低コスト、微小サイズのニューロモルフィックチップを実現するために、ハードウェアとソフトウェアの両方のさらなる進化を目指す。例えば、健康モニタリングのためにセンサに組み込まれたニューロモルフィックチップは、心臓の異常を招く恐れのある特定の心臓の変化を識別することができるようになるほか、個人によって異なるECG(心電)パターンを認識することを学ぶことで、それぞれの患者1人ひとりに対応した最適のモニタリングを可能とすることができる」と述べている。



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