電気自動車(EV)メーカーのGLMは17日、旭化成と共同で、スポーツカーとSUVを融合(クロス)した次世代クロスオーバー車のコンセプトカー「アクシー」を開発したと発表した。車両内部は同社量産第1号車のスポーツEV「トミーカイラZZ」のプラットフォーム部分を活用し、車体には旭化成の最先端技術や自動車向け等の部材・システムを計27品目搭載した。

GLMと旭化成が共同開発したコンセプトカー「アクシー」

コンセプトカー「アクシー」は3人乗りクロスオーバー車で、クーペスタイルのルーフラインとガルウイング方式のドアが特徴。車両名「アクシー(AKXY)」は「Asahi Kasei ×(かける) You(お客様)」が由来となっている。量産EVのプラットフォームを活用しているため、コンセプトカーながら実際に走ることも可能だという。内装は球体に包み込まれるようなデザインで、優しくやわらかな印象を乗り手に与える。内装に合わせ、外装のショルダーラインの位置より高い車両上部も球をイメージしたデザインとなっている。

旭化成の最先端技術なども27品目搭載しており、鉄やアルミニウムの代わりに使用することで自動車の軽量化につながる高機能樹脂や、快適性に優れるシート用の人工皮革、エコタイヤ向け合成ゴムなどの素材が使用されている。最先端技術では、人の顔をカメラで撮影しながら心拍数を計測する非接触型の脈波検出技術(非接触バイタルセンシングシステム)、室内の二酸化炭素の濃度を感知する技術(CO2センサー)が組み込まれた。

GLMでは今後、これまでの車両開発で得たノウハウを生かしながら、車両のプラットフォームや設計技術などを他社に提供する「プラットフォーム事業」を本格始動するとのこと。今回のコンセプトカーはその一環として手がけられたもので、今後はEVに新規参入したい各国企業の開発部隊の役割を担う考えとしている。

旭化成は5月24~26日の期間にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2017」にて「アクシー」を一般公開し、展示会ではその走行シーンも映像で披露する。