ガートナー ジャパンは5月16日、5月23日~24日に開催する「ガートナー データ&アナリティクス サミット 2017」に向けて、企業が機械学習に取り組む際の留意点を発表した。

同社は、企業において、データ・サイエンティストがいなければ、機械学習などを駆使したデータ・サイエンスに踏み出すことが難しい一方で、パイロット・プロジェクトの実施とその成功がなければ、データ・サイエンティストの雇用について会社側を納得させることも難しい、いわば「ニワトリが先か、卵が先か」という状況に陥っていることを踏まえ、データ・サイエンティストを雇用することなく、機械学習を活用する方法を4つ紹介している。

1つ目の方法は「.既存のスタッフを(市民)データ・サイエンティストに育てる』こと。「好奇心と、起業家精神にあふれた心構えを持っている」「データ収集から分析結果の提供に至るデータ・サイエンスの一連の流れを、俯瞰的に調査し、分析することができる」といった資質を備えている従業員は有望と考えられるとしている。

2つ目の方法は「.大学と提携する」ことで、これにより、企業は有能な人材の獲得と学生に対する実地での学習経験の提供という2つの目的を達成できるという。提携手法としては、インターンシップ、クラスのプロジェクト、イノベーション・ラボ、ハッカソンの4つが挙げられている。

3つ目の方法は「外部のプロフェッショナルを雇用する」こと。自社における高度なアナリティクス能力について徹底的なアセスメントを行い、現在持ち合わせているスキル、資金、処理能力に照らし合わせて、どのサービス・プロバイダーの契約および価格モデルが自社の高度な総合アナリティクス・プロジェクトに最適であるかを判断することが重要だとしている。

4つ目の方法は「パッケージ・アプリケーションを利用する」こと。開発済みのソリューションは費用・時間・リスクのトレードオフを実現しており、企業にとってはスキル面のハードルが大幅に引き下げられるとともに、ゼロからの構築よりも非常に短い期間で利用できるようになっている。大規模なデータ・サイエンス・チームを擁している企業であっても、特に生産性向上の観点から、パッケージ・アプリケーションは検討すべき重要事項だという。