転職サービス「DODA」は、2017年4月の転職求人倍率をまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」を発表した。それによれば、求人数は29カ月連続の増加となった。転職市場の活況は続いており、転職希望者へのチャンス広がっている。

2008年以来の最高値を更新

2017年4月の転職求人倍率は、前月比-0.03ポイントの2.56倍。求人数は前月比+0.1%、前年同月比+20.1%となり、29カ月連続で調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新した。転職希望者数は前月比+1.4%、前年同月比+39.7%だった。

業種別にみると、求人数が増加したのは9業種のうち「金融」「メーカー」「商社・流通」「サービス」の4業種。特に伸びたのは「金融」(前月比+17.6%)、「サービス」(前月比+1.7%)だった。職種別では、11職種のうち「営業系」「技術系(メディカル)」「技術系(化学・食品)」「技術系(建築・土木)」「専門職」の5職種で求人数が増加した。その中でも「営業系」(前月比+7.2%)と「専門職」(前月比+6.6%)が特に伸びている。

転職倍率。業種別(左)と職種別

求人増加率。業種別(左)と職種別

なお同調査の転職求人倍率は、DODA転職支援サービス登録者(転職希望者)1名に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値。転職求人倍率=求人数(採用予定人員)÷転職希望者数で算出している。

求職者の選択肢はさらに拡大

同調査では今回の結果に、転職市場の活発な状態が昨年度から継続していると分析している。例年であれば、4月は転職希望者の動きが落ち着く傾向があるが、2017年4月の転職希望者数は増加。年度末に退職し、転職活動を行った人が多かったことが増加の一因と考えられるという。

なお求人数は、年度末における採用充足や新卒の受け入れなどの影響もあり各企業で落ち着きを見せた。それでも前月比ほぼ横ばいの微増で、29カ月連続の増加。調査を開始して以来の最高値を更新している。

求人倍率に関しては5月も引き続き、高い水準の横ばいが予想される。転職希望者はボーナス支給の時期を加味して5月中旬から本格的に転職活動を開始するため、こちらも増加が見込まれる。求人数も引き続き増加傾向で、これまで中途採用を行っていなかった企業の求人、業界、業種の未経者を歓迎する求人など、求人の幅が広がると考えられるとのこと。