JR北海道は11日、千歳線の新札幌高架橋(平和~上野幌間)と千歳高架橋(長都~南千歳間)の耐震補強工事に今年度から着手すると発表した。

JR北海道提供による新札幌高架橋(左)と千歳高架橋の現況

高架橋の耐震基準は大規模地震の発生を契機に何度も改訂されているため、建設時期が古いものほど現在の基準に合わなくなっている。新札幌高架橋と千歳高架橋は1970年より前の基準で建設されており、耐震診断により補強が必要と判断された。

今回、耐震補強工事を行うのは新札幌高架橋と千歳高架橋の駅部を除く部分の柱。今年度から5カ年をかけ、新札幌高架橋の柱782本のうち635本、千歳高架橋の柱1,026本のうち432本を補強する。おもに柱に鋼板を巻いて隙間にモルタルを充てんする工法を採用するが、柱と壁が接している箇所では、柱の周りに鉄筋を巻く工法や、柱の一面だけに鋼板を取り付けて鉄筋を差し込む工法を取る。2つの橋を合わせた工事費は31億円で、全額を国からの支援金と無利子貸付でまかなう。

両高架橋の駅部分の耐震補強工事については、国・自治体・鉄道事業者の3者が3分の1ずつ負担する制度があることから、今後、自治体との協議を進める。駅部分の工事費は、新札幌駅で27億円程度、千歳駅で16億円程度と想定されている。