Analog Devices(ADI)は5月10日、産業機器の状態監視などに主に用いられているピエゾ素子/圧電素子を代替可能な高周波/低ノイズMEMS加速度センサ「ADXL1001/1002」を開発したことを発表した。

2製品ともに、1軸のアナログ出力、共振周波数21kHz対応の加速度センサで、温度センシティビティ5%、フルスケールレンジリニアリティ±0.1%、直行軸感度±1%(ZX)、±1%(YX)、リニア周波数応答範囲DC~11kHz(3dB point)を実現しているほか、ノイズ密度もADXL1001が、30μg/√Hz、±100gレンジ、感度20mV/g、ADXL1002が、25μg/√Hz、±50gレンジ、感度40mV/gとなっており、同社ではゲーム・チェンジング・テクノロジーになるMEMS加速度センサであると説明している。

「ADXL1001/1002」の概要

ここまで高いgの測定レンジを用意したのは、振動と加速度が密接に関係しているからだ。加速度Aを求める式は以下のとおり。

A=(2πf)2×D=(2πf)2×D/9.8[g]

ここでのDは片振幅変移(mm)、fは振動周波数となる。例えば、この式を用いて1μm、1kHzの振動の加速度を求めると、

A=(2π×103)2×10-6/9.8

となり、答えは40.3gということになり、2製品のようなgの測定レンジが必要となる。

振動と加速度の関係。民生用の低gレンジ製品だと、レンジを振り切れる振動が生じる場合が考えられるため、高いgレンジの製品を用いる必要がある

そのため、同社でも対応するアプリケーションとしては、機器状態監視、特に広帯域で振動周波数をモニタリングする予知検診に向いているとしており、Industry 4.0やIIoTの進歩とともに国内での採用を目指していきたいとしている。

なお、2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価はいずれも29.61ドルとしている。