東京メトロは10日、半蔵門線全駅へのホームドア設置計画について発表した。車両更新をはじめとする課題が解決し、設置準備工事などの工程に見通しがついたことを受け、今年度から工事を開始する。今年度下期に整備完了予定の九段下駅を皮切りに、2023年度までに全14駅でホームドアを整備するとのこと。

東京メトロ半蔵門線の車両8000系。東武スカイツリーライン・東急田園都市線にも乗り入れる

半蔵門線のホームドア設置計画については、銀座線・東西線とともに計画を見直し、設置工程を前倒しすることが昨年11月に発表されていた。半蔵門線九段下駅で発生したベビーカー引きずり事故に鑑み、九段下駅を最優先に設置するとともに、青山一丁目駅・表参道駅・渋谷駅・永田町駅・半蔵門駅・押上(スカイツリー前)駅を優先駅に選定。2019年度末までに設置するとしていた。

今回の発表で、これら優先駅7駅も含めた半蔵門線全14駅の整備完了年度が示された。今年度からホームドア設置の工事を順次開始し、九段下駅は今年度下期に整備を終える予定。優先駅とされた青山一丁目駅・表参道駅・渋谷駅・永田町駅・半蔵門駅は2018年度、押上(スカイツリー前)駅は2019年度の整備完了を予定している。

優先駅を除く7駅のうち、1日10万人以上の利用者がある大手町駅・三越前駅・錦糸町駅は2020年度までの整備をめざし、推進するという。神保町駅・水天宮前駅・清澄白河駅・住吉駅は2023年度までに整備完了予定とされた。

東京メトロのホームドア整備は現在、丸ノ内線・有楽町線・南北線・副都心線の全駅で設置済み。今年度は銀座線を中心にホームドア設置を進め、千代田線は2018年度から、日比谷線は2020年度からホームドアを設置開始する予定となっている。半蔵門線全駅で設置を終える2023年度末、同社のホームドア整備率は91%となる見込み。東西線は2019年度末までに九段下駅をはじめ6駅で先行してホームドアを設置し、その他の駅も「朝ラッシュ時の定時運行確保の検討を進め、早期設置に向けて取り組んでいきます」としている。