中央大、ディープラーニングによる画像認識に適した長寿命&高速SSDを開発

中央大学は、同大学理工学部の竹内健教授らのグループが、ディープラーニング(深層学習)を用いた画像認識に最適なSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を開発したことを発表した。この成果は、4月30日~5月3日に米国オースチンで開催された「IEEE Custom Integrated Circuits Conference」で発表された。

ディープラーニングを用いた画像認識と提案するSSD(出所:中央大学ニュースリリース※PDF)

ディープラーニングなどのAIのアルゴリズム解析による画像認識では、認識自体の精度が高ければ、必ずしも認識に用いるコンピュータやデータを処理する集積回路(LSI)には従来ほど高い計算精度を要求されないことから、LSIの計算精度を下げて高速化・低電力化を図ることが注目されている。

一方、クラウドデータセンターなどの小型、高速、低電力なデータの記憶媒体として使われるSSDは、データを記憶するフラッシュメモリとメモリを制御するコントローラなどで構成されている。今後リアルタイムのストリーム処理などでは膨大なデータを、深層学習を使って学習・推論をすると考えられ、大容量データを記憶するSSDを使って深層学習を実行することが必要となる。

このたび同研究グループは、ディープラーニングを用いた画像認識では認識精度が保てれば計算の精度は低くても影響しないことに着目し、読み出しの高速化と高い画像認識が両立する、メモリのエラーを訂正する誤り訂正回路(ECC)を開発した。

画像データの「価値」を判定して重要なデータは高信頼なメモリセル、重要性が低いデータは信頼性が低いメモリセルに記憶するように制御するといった、同研究グループが開発した3つのメモリ制御技術によって、画像認識においては従来のSSDに比べて12倍の10%のエラーがあっても高い顔認識が可能になったという。これによりSSDの寿命(データ保持時間)が300倍に延びたほか、メモリのエラーの訂正にかかる時間を最小にすることで読み出しが26%高速化し、ディープラーニングに耐えうるSSDの高信頼化・高速化と高い画像認識精度の実現に成功したという。

今後、膨大に増えていくストリーミングデータの処理などAIで扱うデータ量が増加することが見込まれており、クラウドデータセンターやIoTデバイスで今回開発されたAI向けのSSDやストレージが重要になることを期待している。なお、この制御技術は画像認識だけでなく、音声認識や文字認識などディープラーニングのさまざまな応用に適用できるとのことだ。

開発された制御技術のひとつ「Value-Aware Data Mapping(VADM)」(出所:中央大学ニュースリリース※PDF)



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