地図 むかわ町穂別の場所(提供・北海道大学/むかわ町穂別博物館)

北海道大学総合博物館の小林快次(こばやし よしつぐ)准教授と、むかわ町穂別博物館(北海道勇払郡むかわ町穂別)の学芸員らの研究グループは、むかわ町穂別にあり、白亜紀末(約7,200万年前)の海底80∼200メートルで形成された地層から恐竜のハドロサウルス科の尾椎骨(びついこつ)化石13個を確認した、と2013年7月に発表。その後も同一恐竜のものとみられる化石を発掘・発見し、見つかった一連の化石群は全身骨格のものであることが確実、と14年10月に発表していた。

研究グループはその後も見つかった多数の化石を丹念にきれいにする作業(クリーニング)などを進め、これまでに上顎骨も含む119点の化石を特定、ほかにも1,400点以上の化石を取り出した。分析の結果、全身骨格は8メートル以上あり、国内で見つかった恐竜の全身骨格としては最大であることが判明したという。

ハドロサウルス科の恐竜は、白亜紀後期(約1億年前から6,600万年前)に生息し、餌の植物を効率よく食べることができたために白亜紀末の約7,200万年前ごろはユーラシア大陸、北米大陸、南米大陸、南極大陸といった地球上の広い範囲に生息していたとされている。ハドロサウルス科の恐竜の全身骨格化石が海底の地層から見つかるのは世界的にも珍しく、今回が世界で3例目という。この恐竜は陸上に生息していたが死体が海に流されて海底に沈んで化石になったため骨が散逸しなかったとみられる。むかわ町の発掘現場は海底が隆起して表面に露出した形になっている。

研究グループによると、ハドロサウルス科の恐竜は50種類以上あり、サウロロフス亜科とランベオサウルス亜科の2グループに分類される。北海道・むかわ町で化石が見つかった恐竜(通称「むかわ竜」)はサウロロフス亜科に属する可能性が高いとみている。

図 2014年1月までに確認された北海道・むかわ町の恐竜化石の部位。赤は尾椎骨、黄は13年に見つかった骨の部位(提供・北海道大学/むかわ町穂別博物館)

写真1 クリーニングされた恐竜(むかわ竜)の全身骨格(提供・北海道大学/むかわ町穂別博物館)

写真2 むかわ町の発掘現場。赤い丸が上顎骨が見つかった場所(提供・北海道大学/むかわ町穂別博物館)

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