東京都交通局は4月28日、都電荒川線の愛称を「東京さくらトラム(Tokyo Sakura Tram)」に決定したと発表した。意見募集を行った8つの候補の中で最も支持を得た愛称だという。今後は「東京さくらトラム」の愛称を積極的に使用し、都電の魅力を国内外に広くアピールするとともに、利用者の誘致や沿線地域の活性化にも取り組むとしている。

都電荒川線の愛称が「東京さくらトラム(Tokyo Sakura Tram)」に決定

都電荒川線は東京に残る唯一の都電として、三ノ輪橋~早稲田間(12.2km、30停留場)で電車が運行される。地域の身近な足として親しまれ、沿線には桜やバラなど花の見所や歴史・文化に触れられる名所旧跡、昔ながらの商店街など魅力あるスポットも多い。

東京都交通局は都電荒川線の魅力を国内外へ積極的にアピールすべく、外国人を含む観光客にも親しみやすい愛称を付けることを決め、3月17日から4月7日にかけて意見募集を行った。「東京●●トラム」の「●●」に入る8つの候補「ローズ」「さくら」「フラワー」「ブルーム」「クラシック」「レトロ」「ノスタルジック」「レガシー」のうち、ふさわしいと思うものを選択する方式(1人につき2つまで)選ぶ方式で、応募者数2,218人(無効を除く)、総支持数は3,459件だった。

8つの候補のうち、最も多く支持を集めたのは「さくら」で854件。「飛鳥山をはじめ沿線に名所が多く、イメージに合っている」「日本と東京を象徴する花で、外国人にも親しまれている」「日本語・ひらがなで、日本らしさが感じられ、語感も良い」などの意見を踏まえ、観光客にとって親しみやすい愛称として選定。和文表記は「東京さくらトラム」、英文表記は「Tokyo Sakura Tram」に決定した。

「さくら」に次いで支持が多かったのは「レトロ」で628件だったが、「後ろ向きな印象を受け、イメージに合わない」「東京メトロと混同し、まぎらわしい」との意見も。今回の候補以外に「TODEN」「東京下町トラム」「東京荒川トラム」などが提案され、「愛称も使用しつつ『都電荒川線』の名称も使用してほしい」との意見も見られた。

なお、東京さくらトラム(都電荒川線)では5月2~31日、赤いレトロ車両9001号を使用し、車内をバラの造花や写真などで装飾した特別電車「都電バラ号」を運行。沿線では5月に「あらかわバラの市」(荒川区)や「大塚バラ祭り」(豊島区)も開催予定だ。「東京さくらトラム沿線には、春と秋に色鮮やかなバラが咲き誇ります」「この機会に是非、『都電バラ号』に乗って沿線へお出かけください」と東京都交通局は発表している。