フラーは、マンガアプリのスマホでの起動率が、2014年からの2年間で1.5倍になったという調査結果を発表した。近年、紙媒体が軒並み部数を落とす一方で、マンガのデジタル化が進んでいる。他の出版物と異なり専用端末を必要としないスマートフォンアプリという形式が、紙からデジタル化へのカギではないかと考察している。

出版業界全体が低迷する中、コミック誌も例にもれず、1号あたりの印刷部数は2013年からの3年間で約25%も減少し、発行しているコミック誌自体の休刊、廃刊も相次いでいる。コミック誌の販売部数は19年連続のマイナスだ。

コミック誌の1号あたりの部数は下がり続けている

雑誌が発行部数を落とす一方で、マンガアプリの起動率を調べると、3年間で右肩上がりに上昇している。フラーが提供するアプリ分析プラットフォーム「App Ape」にて、マンガアプリがスマートフォンで起動されている起動率を調べたところ、2013年11月から2016年末にかけて、約1.5倍に増加していることがわかった。マンガジャンルのアプリが消費者に受け入れられていることを示す結果となった。

マンガアプリの起動率は順当に上がっている

アプリ形式という手軽さが、ユーザーのニーズとマッチしたとみることもできる。例えば雑誌だと、電車などで何を読んでいるか他人に見られてしまうだけでなく、スペースもとる。一方でマンガアプリは何を読んでいるか見られることもなく、スペースもとらないため満員電車などでも読みやすい。

フラーは他にも、近年の傾向として音楽業界にもみられるように、物品としてコレクションする「所持」からその価値だけを享受する「消費」へと、消費者のニーズが変化していることも要因として指摘している。