東北大ら、IVR放射線従事者の眼の水晶体被曝の実態と防護の重要性を解明

東北大学は、同大学大学院医学系研究科 放射線検査分野の千田浩一教授(災害科学国際研究所)と仙台厚生病院の芳賀喜裕非常勤講師(医学系研究科)らの研究グループが、画像下治療(IVR)を行う放射線従事者の眼の水晶体被曝の実態を明らかにした。この研究成果は4月3日、英科学誌「Scientific Reports」(電子版)に掲載された。

左目付近(水晶体近傍)に装着した新しい水晶体線量計(出所:東北大学ニュースリリース※PDF)

近年、IVR等に携わる放射線従事者において白内障などの放射線障害の発症例が報告されたことから、国際放射線防護委員会(ICRP)は2011年、水晶体等価線量限度を従来の150mSv/年から20mSv/年へと大幅に引き下げ、翌年にはICRP勧告を出し注意喚起を促した。一方で、現在の水晶体線量の測定方法は、頚部または胸部付近に装着した個人線量計によって測定され、測定単位は70μm線量当量(または1cm線量当量)で評価されているため、放射線従事者の正確な水晶体被曝線量の測定評価は行われていない。

千田教授らの研究グループは、水晶体被曝が特に多いIVR放射線従事者の水晶体被曝を、新しい線量計を用いて正確に測定評価した。半年間、医師と看護師それぞれ10名以上のIVR放射線従事者を測定した結果、適切な放射線防護を行わないとICRP新勧告の水晶体線量限度である20mSv/年を超過する危険性があることがわかった。また、頚部に装着した個人線量計による測定値は過大評価する傾向があること、装着の負担が少ない軽量型の放射線防護メガネによって約60%の水晶体被曝に対する遮蔽効果が得られることなども判明したという。

同研究により、軽量型放射線防護メガネが放射線医療従事者の白内障などの放射線障害の発症防止に貢献することや、IVRを受ける患者の水晶体医療被曝評価への展開が期待できるとしている。

IVR 医師の水晶体被曝の年間推定線量(出所:東北大学ニュースリリース※PDF)



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