三星ダイヤモンド工業(MDI)は、中国のCIGS薄膜太陽電池メーカーから2016年11月に受注した高精度パターニング装置を6月に出荷し、10月から稼働を開始する予定だと発表した。

納入先は、世界大手の中国建築材料集団有限公司傘下のTriumph PV Materials Ltd.が中国の安徽省蚌埠市に建設中のCIGS工場計画第一期で、発電量は約300メガワット。工場全体では約1.5ギガワットの発電量となる予定で、中国では過去最大規模になる。MDI本社のある大阪府の摂津市と蚌埠市とは1984年より友好都市として締結しており、今回のプロジェクトをきっかけに、官民一体で経済交流の活発化に向けた働きも開始しているところだ。また、並行して進んでいる中国江蘇省江陰の工場にも、このパターニング装置が導入される予定だ。

メカニカルパターニング装置

加工イメージ

三星ダイヤモンド工業は2007年から独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)と共同研究を進め、CIGS薄膜太陽電池用の高精度パターニング技術の確立と装置の開発に取り組んできた。

さらに、従来から協力関係にある東芝三菱電機システム製の電極接合装置「TMBBM」も三星ダイヤモンド工業が請負受注している。

同社は今後もこの協力体制のもとでTriumph PV Materials Ltd.からの継続受注を目指している。さらにCIGS薄膜太陽電池だけでなく、次世代太陽電池として期待が高まるペロブスカイト系太陽電池向けへの参入をめざして世界各国・地域の太陽電池メーカーに対して、積極的に提案、受注拡大を図っていくとしている。