ドコモなど4社、レース中にドライバーの生体情報を計測する共同実証実験

NTTドコモ、ダンディライアン、NTTデータ、日本電信電話(NTT)の4社は4月20日、ダンディライアンが運営するカーレーシング・チームである「DANDELION RACING」と協力し、4月22日から開幕する全日本スーパーフォーミュラ選手権において、「hitoe」(ヒトエ)を利用してドライバーの生体情報を計測する共同実証実験を開始すると発表した。

同実験では、急加速や急減速が繰り返し発生するロードコース・レイアウトのサーキットで開催するスーパーフォーミュラの環境下で、ドライバーの身体能力や運動状態を可視化することを目的とし、着るだけで生体情報の連続計測を可能とする機能素材であるhitoeの技術を用いたアンダーシャツ(hitoeウェア)を使い、ドライバーの心電波形や心拍数、上腕部及び胸部の筋電などの生体情報を計測する。

さらに、生体情報と共に、レーシングカーの走行情報(速度、加速度、エンジン回転数、ブレーキ圧など)及び搭載するカメラが取得した走行状態の映像を合わせて分析することで、高速レースにおけるドライバーの身体状態と走行状況の相関関係を検証し、ドライバーへのマネジメントやトレーニング・メニューの検討などの利用が期待できるとしている。

これまで、レース環境下におけるレーシングカーの情報は、取得技術の進化や改良により精度を向上しながら収集を実現している一方で、レース環境下におけるドライバーの生体情報を取得する仕組みは確立していなかった。

hitoeウェアにより、レース中におけるドライバーの生体情報を取得・収集可能になり、 将来的には、LTEネットワークを利用してレース中の生体情報をリアルタイムに把握し、その情報を基にレース中のドライバーへアドバイスすることで、より高いパフォーマンスの実現に向け取り組んでいくという。

4社は今後、実環境における過酷なレース環境下で、安定したネットワーク、各社の知見を合わせたサービス、解析技術などを利用し、ドライバーがより快適・最適なレースを実現可能とする新たなサービスの創出を目指す。