テクマトリックスは、メールに添付されたファイルを自動的に無害化し、インターネット系ネットワークから業務系ネットワークへの安全な受け渡しを可能とするソリューションを、アイマトリックスと共同開発すると発表した。また、販路拡大のための戦略的パートナーシップを締結する。

2015年6月に発生した国内公共機関での大規模な情報漏えい事案を発端に、総務省は自治体に対して自治体情報システム強靭性向上モデルを提唱した。現在、各自治体では、2017年7月のマイナンバー系ネットワークとの接続および10月の本格運用までに、それらの対策を完了させるべく対応に追われているという。

また、この総務省の提唱モデルは、FISC(金融情報システムセンター)やIPA(情報処理推進機構)のガイドラインでも提唱され、金融業界、社会インフラ系企業、教育委員会などが採用を開始している。その対策のひとつに、ネットワーク分離がある。LG-WAN系ネットワークとインターネット系ネットワークの通信経路を分割し、システム間で通信する場合には、ウィルスの感染のない無害化通信を図ることが提唱されている。

ネットワークが分離された環境においては、2つの異なるネットワーク間での安全なデータファイルの授受が課題となる。この場合、Webなどからのダウンロードファイルの他に、メールの添付ファイル、さらにはメール本文にもマルウェア感染の危険性が潜んでいる。この課題を解決するソリューションを共同開発するため、今回テクマトリックスとアイマトリックスはパートナーシップ締結を決定した。

同提携により、メールの添付ファイルを安全な状態で業務系ネットワークに取り込み、かつファイルの形式を変えずに編集できる「メール自動無害化ソリューション」が実現できる。共同開発した製品は、2017年6月末より販売する。

テクマトリックスでは、同製品を2018年3月末までに、自治体、教育関連、金融業界、社会インフラ企業など100以上へ導入することを見込んでいるという。