独立系半導体ナノテクノロジー研究機関であるベルギーimecと、その研究パートナーであるベルギー、オランダ、ドイツにまたがる国際的な薄膜太陽電池開発コンソーシアム「Solliance」は、4cm角のペロブスカイトモジュールを改良し、同サイズでは最高クラスとなる12.4%のモジュール変換効率を達成したと発表した。

ペロブスカイトのマイクロクリスタルは、高効率の薄膜太陽電池を製造するのに有望視されている材料で、薄型、軽量、半透明のモジュールに加工することができるため、窓や湾曲した構造材のような建築材料に組み込むことができる。

imecとSollianceは、カスタマイズされた太陽光発電システムにシームレスに集積できる大面積モジュールの製造に向け、スケーラブルな工業プロセスの適用を目指して研究を進めてきた。今回、開発されたペロブスカイトモジュールは、アクティブ層作製に向けた先進的なレシピと、高い開口面積効率を達成するプロセスを使用して、imecにて作製された。低受光面積損失の相互接続技術を用いて8個のセルが直列は接続されており、デバイス動作は高い安定性があることが確認されたという。

4cm角の照射領域の約90%がエネルギー生成に寄与しており、独フラウンホーファーISEが認定した10分以上の最大パワーポイントトラッキングにて12.4%の電力変換効率が得られることが示されたとする。

なお、imecは、国境を越えた薄膜太陽電池研究プロジェクトであるSollianceという枠組みの中でペロブスカイトモジュールの産業用R&Dプラットフォームの構築を進めているほか、Sollianceは、こうしたペロブスカイトに関する技術を工業的に適用可能なプロセスで開発、市場導入することを目指しており、imecの産業パートナーであるSolartek、Dyesol、Panasonicなどとともにペロブスカイトベースの太陽発電モジュールとそのアプリケーション開発に向けた研究を継続して行っていくとしている。

imecとSollianceが共同で開発した変換効率12.4%を達成したペロブスカイト太陽電池モジュール (画像提供:imec)