近畿大学は、同大学理工学部情報学科の角田雅照講師、岡山県立大学情報工学部情報システム工学科の天嵜聡介助教らのグループが、プログラミング言語がソフトウェア開発に与える影響を明らかにした。この研究成果は、4月15日発行の論文誌「情報処理学会論文誌」に掲載された。

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ソフトウェア開発の生産性を高めるために、どのプログラミング言語を選択するかは重要な課題のひとつであり、これまでも各プログラミング言語の生産性について分析されてきた。

研究グループは、経済学などで用いられている傾向スコア法を利用して分析した結果、従来の分析方法では生産性が低いとみられていたプログラミング言語の一種である「COBOL」が相対的に生産性が高く、「金融業や保険業などのCOBOLが多く使われるような条件では、他の言語よりもCOBOLのほうが生産性が高まる」という結論が導き出されたという。

また、この研究ではプログラミング言語のみを分析対象としているが、その他のデータについても、傾向スコア法を用いて分析することで従来と異なる結果が得られる可能性もあり、従来のソフトウェア開発の計画立案の定石が見直されることが期待されるとしている。