京大など、体細胞クローン動物が誕生する割合を劇的に改善する手法を発見

京都大学は、山田雅保 農学研究科准教授、宮本圭 近畿大学講師、ジョン・ガードン ケンブリッジ大学教授らの研究グループが、3種類の化合物を培養培地中に添加するだけで、体細胞クローンマウスが誕生する割合を従来法よりも劇的に改善する新手法を世界で初めて発見したことを発表した。この方法を用いると、簡易かつ安定して成体の細胞からクローンマウスを作出することが可能となる。この研究成果は4月15日、英国の学術雑誌「Biology Open」オンライン版に掲載された。

本手法によって誕生したクローンマウス(出所:京都大学Webサイト)

体細胞クローン技術は、絶滅危惧動物の保全や遺伝子組換え細胞を用いた医療モデル動物の作出など、さまざまな分野での有効利用が期待されているものの、これまでの技術では発生率(クローン効率)が1%未満であったため、活用が難しい状況であった。

そこで同研究グループは、3種類の化合物を用いて特定の期間に、特定の組み合わせ、順番で体細胞クローン胚(以下、クローン胚)を処理することによって、細胞が安定的に初期化(成体の細胞が受精卵の状態に戻ること)され、クローンの発生率が約15%も向上することを発見した。

また、実験回によっては最大で25%もの発生を観察し、培地条件の改善というすべての動物に適応できる簡易な方法で非常に効率よく体細胞クローン動物を作出することが可能となった。

この研究成果により、実用化レベルの効率でクローンの作出が可能になることに加え、それが非常に簡易な技術であることから、絶滅危惧動物の保全や医療研究に使用される遺伝子組換え動物の効率的な生産等に活用されることが期待されるとしている。



人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事