セイコーインスツル(SII)は、同社の子会社で導体の製造・販売を行うエスアイアイ・セミコンダクタが、ひとつのICで両極検知、N極検知、S極検知に切り換え可能なホールスイッチIC「S-5718シリーズ」を製品化し、受注を開始したことを発表した。

磁石の極性判別を実現するホールスイッチIC(出所:SIIニュースリリースページ)

「S-5718シリーズ」は、CMOS技術を使用して開発された両極検知/片極検知型のホールスイッチIC。ひとつのICにS極とN極のどちらも検知するタイプと、S極のみ検知するタイプ、N極のみを検知するタイプという3種類の検知タイプを内蔵している。

SWP端子への入力がないとき(High-Z)は両極検知だが、SWP端子にHighを入力するとN極検知に、Lowを入力するとS極検知に切り換えられる。さらにデジタルI/OでSWP端子を制御することで磁石の極性を判別することが可能となり、携帯機器などにおいては、磁石の極性を検知して動作を切り換えたり、付属品の種類を判別するといったことが行える。

また、1.45Vという極めて低い電源電圧でも動作が可能なうえに消費電流も低いため、バッテリで動作する携帯機器に適している。さらに、ワイドヒステリシス品とスタンダードヒステリシス品が選択でき、ワイドヒステリシス品はホールスイッチICと磁石の距離が変化しやすい環境でも、安定した出力結果が得られる。

主な仕様は、検知極切り換え機能:両極検知、S極検知、N極検知、出力論理:アクティブ "L"アクティブ"H"、出力形態:CMOS出力、磁気感度:1.8mT、3.0mT、4.5mT、駆動周期:5.7ms、50.5ms、102.1ms、電源電圧範囲:1.45V~3.6V。パッケージは超小型のSNT-4A(1.6×1.2×0.5mm)となっている。