宇宙の成り立ち解明目指す大型加速器が来年初め始動へ 素粒子観測測定器を設置

高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)内にある大型加速器「スーパーKEKB」に素粒子が崩壊する様子を捉えることができる「ベルⅡ」測定器が11日設置された。設置作業は無事完了し、宇宙誕生時の謎に迫る研究成果が期待される国内最大級の大型加速器は来年初めにも実験を開始する見通しになった。

写真 大型円形加速器「スーパーKEKB」に設置された「ベルⅡ」測定器(提供・高エネルギー加速器研究機構)

スーパーKEKBは同機構敷地の地下10メートルにある1周3キロの大型円形加速器。素粒子の一種の「電子」と電子の反物質である「陽電子」が真空パイプの中で加速されて衝突する頻度を、従来の加速器「KEKB」の約40倍高めるなど約5年かけて大幅に性能を向上した。衝突速度はほぼ光の速さまで加速できるようになったという。昨年春にほぼ完成してベルⅡ測定器の設置を待っていた。

今回設置されたベルⅡ測定器は7種類の検出器で構成され、全長8メートル、重さ1,400トン。加速器により加速された電子と陽電子が衝突して発生する素粒子の粒子や反粒子が崩壊する様子を精密に観測する。11日の作業では、同測定器を13メートル離れた大型加速器まで移動させ加速器内の電子と陽電子の衝突する部分に組み込んだ。作業は約5時間かかったという。

宇宙が誕生した直後は宇宙空間の「物質」と、それらの物質と電気的な性質が逆の「反物質」が同じ数存在したと考えられている。しかしその後なぜ反物質は減り、物質だけが残ったかは、宇宙物理学の大きな謎となっている。

研究には日本を含む世界23カ国・地域から700人以上の研究者が参加している。

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