オートデスクは、製造業界向けソフトウェアの新バージョンを4月12日より順次発売すると発表した。

BIM データへの書き出し、簡略化の様

干渉解析でネジを除外して表示している様子

今回発売される新バージョンは、製造業界において、外観デザイン、環境性能、軽量化などの取り組みに対して多くの関係者がアイデアを検討しながら共同作業を行う上で、製品情報を効率的に作りこめるように機能強化したもの。

3Dメカニカル設計、解析、配管・配線、ツーリング機能を搭載したソフトウェア「Autodesk Inventor Professional 2018」は、希望小売価格28万9,000円(シングルユーザー、ベーシックサポートの場合)。主な新機能としては、3Dで表記される「3D注記」機能が搭載され、寸法や製造情報(加工/検査/作業指示など)を、3Dモデルに直接書き込むことが可能になった。

また、大規模アセンブリの表示能力を向上して、回転、移動やズームなどの動きがよりスムーズになったとのこと。さらに、同社の建築向けBIMソフトウェア「Autodesk Revit」と、建築業界で使用される中間ファイ ル「IFC」形式でデータの書き出しが可能になった。形状要素を簡略化する機能も強化され、知財情報の削除、ファイルサイズの縮小なども可能になっている。そのほか、干渉解析でネジの干渉を除外して表示できるように改善、さらにアセンブリを単一の要素として解析できるようになり、干渉解析の作業性と視認性が向上しているということだ。

流体解析の結果から強度解

InventorでVaultブラウザを表示している様子

データの検索・参照・非CADデータの編集ソフトウェア「Autodesk Vault Office 2018」は、希望小売価格3万8,000円(マルチユーザー、ベーシックサポートの場合)。基本的なデータ管理・検索に加え、データの版管理、ファイルとフォルダのセキュリティ管理などの機能を追加する「Autodesk Vault Workgroup 2018」は、希望小売価格5万1,000円(シングルユーザー、ベーシックサポートの場合)。Workgroupの機能の他、設計変更の履歴、部品表管理などの機能を追加する「Autodesk Vault Professional 2018」は、希望小売価格9万7,000円(シングルユーザー、ベーシックサポートの場合)。上記3種のソフトウェアの主な新機能としては、Inventor2018とVaultの連携機能を強化。また、Vault Explorerで管理されたInventorやAutoCADの図面から2D PDFファイルを自動的に生成して保存可能になった。さらに、Vault 2018の新しい管理者ロールに、通常の設計者ロールを越える権限が3つ追加された。

Inventor上で稼働するCAD統合型構造解析ソフトウェア「Autodesk Nastran In-CAD」は、希望小売価格54万5,000円(マルチユーザーの場合)。主な新機能としては、流体解析ソフトウェア「Autodesk CFD」の流体界面反応を構造解析モデルに境界条件として適用可能になり、流体圧力などの情報を基にした強度解析が可能に。また、地震、振動、風/波荷重などの時間暦に対する建物などの構造解析が可能になった。

2.5軸、3+2軸に対応するCAMソフトウェア「Autodesk HSM Premium」は、希望小売価格37万7,000円(シングルユーザーの場合)。2.5軸、3+2軸、5軸に対応するCAMソフトウェア「Autodesk HSM Ultimate」は、希望小売価格59万3,000円(シングルユーザーの場合)。主な新機能としては、従来の「Inventor HSM」と「HSM Works」を統合。負荷制御加工の新機能により、粗取り加工時間を大幅に削減、工具の寿命延長に貢献。また、「AnyCAD」の新機能により、CADモデルに対する設計変更が既存のツールパスに自動的に適応され、移動エラーの低減に貢献している。

なお、価格はいずれも1年間サブスクリプションの場合で、希望小売価格にインストール費は含まれない。