ブリティッシュ・エアウェイズはこのほど、カスタマーエクスペリエンス向上のための新たな投資計画を発表。4億ポンド(548億円)を投じビジネスクラスを刷新するほか、長・短距離路線に高速機内Wi-Fiサービスを導入、各空港のラウンジを大幅リニューアルするなど、さまざまなサービスを刷新する。

ボストン空港の新ラウンジ

レストランスタイルの新機内食

同社は4月5日、ロンドン・ヒースロー空港のターミナル5にて、ファーストクラス専用の新しいチェックインエリア「First Wing」をオープン。2つのセキュリティチェックレーンを開設し、ギャラリーズ・ファースト・ラウンジとコンコルド・ルームへ直接アクセスが可能となった。この2つのレーンを開設することで、サウスターミナルを利用する旅客数が減少し、Club World(ビジネスクラス)利用者のチェックインプロセスがよりスムーズになる。

新しいチェックインエリア「First Wing」

セキュリティ通過後にはリラックスできる座席エリアを設置

Club World(ビジネスクラス)向けのサービスに対しては4億ポンド(548億円)を投じ、機内食サービスの向上とともに快適な睡眠環境を提供。9月よりClub Worldにおいて、新たにレストランスタイルの機内食サービスの提供を開始する。カートでサンプルの機内食が運ばれ、その中から前菜、デザートを選び、食事はテーブルセッティング上に提供される。

Club Worldでは新たに、レストランスタイルの機内食サービスを導入

機内で使用されるリネンも新しくなり、ピローサイズはより大きく、ソフトなマットレスとデュベにより質の高い睡眠をサポートする。さらに6月より、ヒースロー空港のビジネスクラスのラウンジにおいて提供中のメニューを刷新し、朝食サービスを11時まで延長する。

これらの変更は、ロンドン・ニューヨークJFK路線を皮切りに、2018年中に他の長距離路線においても順次反映していく。また、Club Worldのシートも刷新を予定。現在、直接通路にアクセス可能な新しいシートデザインを考案しており、2019年に導入を予定している。なお、欧州域内のビジネスクラス(ClubEurope)短距離路線においても、新しいカトラリーのほか、客室乗務員によるワインやシャンパンの提供方法の変更、より質の高い機内食など、サービスの刷新を図る。

次世代のWi-Fiサービス導入

4月より長距離線の各キャビンにおいて、次世代のWi-Fiサービスを開始した。短距離線では2017年内に導入を予定しており、欧州初の4G高スピードの機内ネットワークで、2019年までに所有機体の90%をネットワークに接続することを目標に掲げている。乗客は自分の端末でインターネットにアクセスし、Eメールやソーシャルメディアにアクセス。また、NetflixやYouTubeといったウェブ上のコンテンツから自由に動画をストリームすることも可能になる。

欧州初の4G高スピードの機内ネットワークを導入

インターネットの利用には、Simply ConnectかConnect Plusの2つの選択肢から選び、コースにより1時間、4時間またはフライト中全ての時間での利用から選べる。Simply Connectでは、4.99ポンドで通常のウェブブラウジング、Eメールやインスタントメッセージを利用可能。Connect Plusでは7.99ポンドでより高速のインターネット接続サービスを利用でき、動画ストリーミングまでもが可能になる。

英米のラウンジを中心に刷新

ロンドン・ガトウィック空港の南ターミナルでは、滑走路が見渡せるファーストクラスとClubWorld(ビジネスクラス)利用者向けの最新のラウンジをそれぞれオープンした。同空港の北ターミナルのラウンジよりも倍の座席数を有し、フロアスペースは4割拡大している。

ロンドン・ガトウィック空港のラウンジ

また、米国の空港のラウンジには8,800万ポンドの投資が計画されている。ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港のターミナル7には、今後2年間で5,200万ポンドの投資が計画されており、投資内容にはファーストクラス、ビジネスクラスの両ラウンジの改修、及びチェックイン、セキュリティ、搭乗ゲートの刷新・改善が含まれている。

ボストン空港の新ラウンジは、ロンドン=ボストン路線へのエアバス社のA380の導入と合わせてオープン。新ラウンジは以前のラウンジのフロア面積よりも3割広く、搭乗ゲートに直接アクセスも可能。2018年は、スコットランドのアバディーン、ローマを改装、ジュネーブのラウンジを拡張予定で、他にもマイアミ、サンフランシスコ、ヨハネスブルグ、マンチェスター、シカゴにおいても投資が計画されている。また、ヒースローのターミナル5にある各ラウンジも今後数年間で準備改装する予定で、まずは4月、最上級ラウンジであるコンコルド・ルームの内装を刷新していく。

ボストン空港のラウンジ

そのほか、ヒースロー空港のターミナル5から発着する英国国内線において、ブリティッシュ・エアウェイズとして初めてとなる3機のセルフ搭乗ゲートの導入等、新しいテクノロジーを導入。搭乗までのプロセスを簡略化し、スピーディーな空港での手続きにつなげる。自動化されたゲートでは顔認証技術を採用しており、搭乗券をスキャンするだけで簡略的に機内への搭乗できる。また、ヒースロー、ガトウィック両空港において、セキュリティチェックの前に自分で荷物にラベルを貼り、機内へ荷物を預け入れることができるセルフサービスバッグドロップ(自動手荷物預け機)も導入している。

ブリティッシュ・エアウェイズとして初めてとなる3機のセルフ搭乗ゲートの導入